'12/2/2
平和アパート建て替えへ
広島市は、戦後復興期を代表する建物の一つで、原爆詩人の峠三吉(1917〜53年)が暮らしたことで知られる市営平和アパート(中区昭和町)を建て替える方針を固めた。市は2012年度、民間業者を活用した事業手法の検討を進める。
平和アパートは終戦間もない48年に完成した。鉄筋構造では戦後初の市営住宅で、4階建ての3棟計72戸ある。
峠は50年から53年に死去するまで3号棟4階の一室で暮らした。敷地内には詩碑が立ち、峠が窓からの京橋川の眺めに着想を得たという「河のある風景」の詩文の一部が刻まれている。
市は老朽化した平和アパートの建て替えに当たり、コスト削減や敷地の有効活用を考慮。民間業者からアイデアを募って、複数の事業手法について実現の可能性を探り、どのような事業計画ができるか検討する。
【写真説明】建て替えが決まった平和アパート