金星への軌道投入に一度失敗した探査機「あかつき」について、宇宙航空研究開発機構は、壊れたメインエンジンの代わりに姿勢制御用の小型エンジンを使って、早ければ3年後の2015年11月にも再投入させる方針を明らかにしました。
日本初の金星探査機「あかつき」は、おととし12月、エンジントラブルで金星への軌道投入に失敗し、現在、金星と同じような軌道で太陽の周りを回っています。宇宙航空研究開発機構は、壊れたメインエンジンの代わりに、姿勢制御用の小型エンジンを使って、「あかつき」を金星に近づけて再び軌道投入を目指すとして、去年11月、軌道を変更する作業を行いました。その結果、小型エンジンで再び軌道投入できることが確認できたとして、金星に近づく3年後の2015年11月か、4年後の2016年6月の、いずれかのタイミングで再投入させる方針を固め、31日に国の宇宙開発委員会に報告しました。どちらのタイミングを選ぶかは、太陽による厳しい熱環境に長期間さらされる探査機の寿命にかかっているということで、宇宙航空研究開発機構は、探査機の劣化が激しければ3年後の投入を目指すとしています。宇宙航空研究開発機構の中村正人プロジェクトマネージャは「再投入のチャンスを、決してむだにしないよう運用を続けていきたい」と話しています。