韓国の先月の貿易収支は、ヨーロッパの信用不安の影響でEU諸国向けの輸出が大幅に落ち込むなどしたため、20億ドル(日本円で1500億円余り)の赤字となり、月別では2年ぶりの貿易赤字となりました。
韓国の知識経済省が、1日、発表した1月の貿易統計の速報によりますと、輸出額は415億ドル、日本円で3兆1600億円余りで前の年の同じ月に比べて6%余り減少しました。この結果、輸出から輸入を差し引いた貿易収支はおよそ20億ドル(日本円で1500億円余り)の赤字となりました。韓国の月別の貿易収支が赤字となるのは、おととし1月以来2年ぶりで、輸出の伸びがマイナスになるのは2年3か月ぶりのことです。背景には、ヨーロッパの信用不安の影響でEU諸国向けの輸出額が前の年に比べて45%の大幅な減少となったほか、原油価格の高騰によって、原油の輸入額が増加したことが挙げられます。韓国はウォン安を追い風に順調に輸出を伸ばし、去年1年間の輸出額は過去最高を記録しましたが、世界的な景気の低迷で、輸出の勢いが鈍った形となりました。これについて知識経済省は「先月は旧正月の連休があったことが大きく響いており、赤字の幅はやや大きかったものの深刻に憂慮する水準ではないと判断している」としています。