県は31日、放射性物質の測定データを基に作製した「農地土壌汚染マップ」を発表した。県内で最も放射性セシウム濃度が高かったのは、土壌1キロ当たり2500~2000ベクレルの範囲内で、米の作付け制限の対象になる暫定規制値(同5000ベクレル)を上回った市町村はなかった。
県によると、調査は農地を2・5キロ間隔のメッシュ(四方の網)に区切り、水田は4~6月、畑や果樹園などは6~12月に深さ20センチまでの土を採取し、計628カ所で検査した。採取・検査日が異なるため、国が福島県などの土壌調査を行った際に基準日とした6月14日時点の濃度に換算した。
その結果、県内の農耕地面積7万6300ヘクタールのうち、2500~2000ベクレル=10ヘクタール▽2000~1500ベクレル=120ヘクタール▽1500~1000ベクレル=400ヘクタール▽1000~500ベクレル=4360ヘクタール▽500ベクレル~不検出=7万1410ヘクタール--だった。2500~2000ベクレルと2000~1500ベクレルの範囲には川場村の一部が、1500~1000ベクレルの範囲には沼田、中之条、高山、川場の4市町村の一部が入った。
県は「最も高濃度だった川場村でも、米の検査で安全性が確認されている」としている。県は汚染マップをホームページで公開している。【鳥井真平】
毎日新聞 2012年2月1日 地方版