アメリカのNRC=原子力規制委員会は、地震が少ないとされてきた東部などの地震の危険性を見直し、個々の原発に対し、耐震性を検証し直すよう求めました。
NRCなどは、東日本大震災をきっかけに、過去に起きた地震の調査範囲を16世紀中ごろまで広げ、大地震発生のモデル作りを進めてきました。先月31日に発表された新たなモデルでは、複数の地域でこれまでの想定よりも強い揺れに襲われる可能性を指摘しています。特に、大地震が繰り返し起きているミズーリ州ニューマドリッド市やサウスカロライナ州チャールストン市周辺では、注意が必要だとしています。NRCはこのモデルをもとに、個々の原発が耐震性を評価し直すよう求めています。アメリカ中西部や南部、東部は合わせて96基の原発を抱えています。これまでは西海岸と比べて地震が起きる確率が低い地域とみなされてきました。ウォールストリートジャーナルは、「耐震補強工事の費用次第では、閉鎖する原発も出てくる」とする専門家の意見を紹介しています。また、原発だけでなく、一般の建物の耐震基準や保険料にも影響が出る可能性も指摘しています。