損失隠し問題の処理で財務状態が悪化したオリンパスに対し、パナソニックと韓国の電機大手のサムスン電子がそれぞれ資本・業務提携を申し入れる方針を固めたことが31日、分かった。オリンパスが世界で7割のシェアを持つ内視鏡分野を中心に連携し、医療などの成長事業を拡大する狙いと見られる。オリンパスをめぐっては、富士フイルムホールディングスやソニー、テルモがすでに提携の名乗りを上げており、争奪戦が一段と激しさを増しそうだ。
関係筋によると、パナソニックとサムスン電子、日本企業の別の1社の3社が近くオリンパスに提携の提案書を出す見通し。パナソニックはオリンパスとデジタルカメラの規格共通化などで協力関係にあり、提携に踏み込むことで内視鏡分野などを中心に協業したい意向と見られる。また、サムスン電子は競争力強化を狙いにオリンパスの内視鏡事業に関心を示していた。
オリンパスは損失隠し問題の処理で財務の健全性を示す自己資本比率が4.5%(昨年9月末時点)まで低下。財務基盤立て直しのため、1000億円規模の増資を計画。今後は、提携を打診済みのソニーなどにパナソニックなどを加えた計6社の提案内容を比較し、4月までに増資の引き受けを含む提携先を決める方針。オリンパス側は一定の経営の独立性は維持したい方針で、資本提携に際しては、議決権のない優先株も活用して、出資比率を2~3割程度に抑えたい考えだ。
毎日新聞 2012年2月1日 2時30分