- [PR]
政治
「官報複合体」になるな 財務省の論理に“洗脳”されつつあるメディア
岩田規久男学習院大学教授の試算によれば、名目成長率1%の上昇は国税収入を2.3~3.4%増やす。名目成長率4%が11年度以降継続すれば、15年度の国税収入は10年度比で23兆~37兆円も増える。10兆円余りの消費税5%アップの場合の消費税収増よりも、名目成長率向上による増収効果は絶大だ。
財務省の今試算のもくろみは、消費税10%でも財政悪化は進む、だからもっともっと消費税率を引き上げる必要があるという財務官僚の考えの、世論への「刷り込み」だろう。野田佳彦内閣は、こうした財務省の論理にとっくに「洗脳」され、成長率をアップさせる政策よりも、増税を優先させている。
日経記事の唯一の救いは、財務官僚の思惑に沿ってもっと増税せよ、とは言わなかったことだ。そのかわり「歳出削減が不可欠」ともっともらしい副見出しを付けたが、本筋の議論ではなかろう。
増税また増税という財務官僚路線では、デフレがさらに深刻化し、それに連動して超円高が続き、日本経済規模が縮小に縮小を重ね、財政自体も破綻しかねない。日経がそんな問題意識を持てば、「官報」に堕すことはない、と思うが、いかがだろうか。(産経新聞編集委員・田村秀男)
関連ニュース
- [PR]
- [PR]