政治「官報複合体」になるな 財務省の論理に“洗脳”されつつあるメディア+(1/2ページ)(2012.2.2 07:12

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「官報複合体」になるな 財務省の論理に“洗脳”されつつあるメディア

2012.2.2 07:12 (1/2ページ)消費税

 日本経済新聞時代の後輩で、日経記者をやめて米カリフォルニアに拠点を構える牧野洋氏が刺激的な本を書いた。彼は本欄の執筆者のひとりでもある。(フジサンケイビジネスアイ

 タイトルは、「官報複合体」(講談社)。氏は大手新聞一般の「官報化」、つまり官製報道化を取り上げているわけだが、ではわれわれの古巣、日経はどうかと気になってくる。

 かつて日経ではよく、「官報みたいな紙面をつくるな。官製発表にひきずられるな」と同僚とよく議論したものだ。今の日経でも、同じ志を抱く記者は少なくないのだが、残念ながら主流にはなっていないようだ。

 そんなときに、1月31日付の日経朝刊のある記事をみて、「うーん、官報かこれは」と、思わずうなってしまった。記事は、財務省による歳出と歳入の見通しを報じたもの。消費税率を2015年10月に引き上げても国債残高は21年度末に1000兆円を突破し、同年度の国債利払い費は20兆円へと倍増するという。さらに、消費増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」をした場合でも財源不足は45.4兆円に上るが、しない場合53.6兆円に膨れる、とか。

 が、試算なら必ず前提条件がある。人目を引く見出しに踊らされず、内容をうのみにしないためにはそのチェックが欠かせない。よく読むと、名目成長率を1%台半ば、新発10年物国債利回りを2%程度、とある。米欧の予算見通しでは3%台が当たり前の名目成長率なのだが、こうも極端に名目成長率が低ければ、いくら増税しても税収は増えないのは、これまでのデフレ下の税収の低迷を見ても明らかだ。

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