広島市は30日、世界遺産・原爆ドーム(同市中区)の破損状況などを測定する「健全度調査」の本格化に合わせて、ドームの内部などを報道機関に公開した。高さ約25メートルのドームの頂上まで足場を組み上げ、壁面のひび割れや鋼材の腐食、地盤沈下などを測定し、必要に応じて補修を検討する。作業は3月15日まで。
89年度の保存工事以降、ほぼ3年ごとに実施する“定期健診”。今後はドームの傾きや防水剤の効果も調べる。同市は、コンピューター解析による耐震診断も初めて実施し、震度6弱を想定する震動に対し弱い部分を割り出す。
作業に伴い、通行路に近い西側は落下防止用のシートで覆われているが、見学者に配慮してメッシュのシートを使っている。【加藤小夜】
2012年1月30日