03年に廃止されたJR可部線の可部(安佐北区可部2)以西約1・7キロ区間を電化・復活させる工事について、広島市の松井一実市長は31日の定例記者会見で「今年度内の着工は難しい」との見通しを示した。踏切の設置を巡り、地元住民やJR西日本などと調整が終了していないため。
可部線廃止区間の復活は地元住民の要望を受け、同市がJR西などとの協議を踏まえて計画を策定した。可部から電化した路線を延伸し、終点(同区亀山南1)と中間地点に駅を設置する。今年度着工、13年度完成を目指していた。
しかし、国土交通省令は新線の場合は原則踏切の設置を認めていない。周辺住民からは利便性のため、以前あった踏切の復活を求める声が上がっている。一部の踏切について設置の見通しがついたが、調整が続いているという。松井市長は「早期解決に向けて努力したい」と述べた。【樋口岳大】
毎日新聞 2012年2月1日 地方版