津波の被害で運行できなくなっていた福島県いわき市の臨海部の工業地帯の製品を運ぶ貨物鉄道の復旧工事が終わり、1日、10か月半ぶりに、コンテナ列車が運行を再開しました。
運行を再開したのは、いわき市の小名浜港周辺の工業地帯と、JR常磐線の泉駅の間の5キロ余りを結ぶ第三セクターの「福島臨海鉄道」です。港に隣接した小名浜駅に2メートルを超える津波が押し寄せ、大きな被害を受けましたが、復旧工事が終わり、震災から10か月半ぶりに運行できるようになりました。小名浜駅行われた出発式で、福島臨海鉄道の河野志郎社長は、「再開を待っていた地元企業も多く、身が引き締まる思いだ。安全運行に努め、物流輸送にまい進していく」と述べました。そして、正午に、再開第一号となる、洗剤や化学製品などを積んだ10両編成のコンテナ列車が、機関車にけん引されて小名浜駅を出発しました。駅の近くでは、長年、貨物列車に慣れ親しんできたという地元の人たちも、列車の出発を見送っていました。福島臨海鉄道は、震災前と同じ上りと下り、それぞれ2本ずつのコンテナ列車を運行します。