質量の単位「キログラム」の定義として120年以上使われてきた「国際キログラム原器」を将来廃止し、新しい定義へ切り替える方針が21日、パリ近郊で開かれた国際度量衡総会で決議された。長さや時間が現代的な定義に置き換えられる中、最後に残った「原器」が歴史的使命を終える。
国際キログラム原器は、白金イリジウム合金製の分銅。1889年、メートル条約に基づいてつくられ、パリの国際度量衡局に厳重に保管されている。
本来、質量は一定のはずだが、洗浄で1億分の6程度軽くなったこともあり、高精度の測定が必要な先端科学の世界では、より正確で安定的な定義が求められていた。