経団連で労使問題を担当する宮原耕治副会長は、1日、NHKなどのインタビューに応じ、ことしの春闘について「企業の社会的な使命は、賃上げよりも雇用を守ることだ」と述べ、連合側が求める給与の1%引き上げは困難だという考えを示しました。
この中で、宮原副会長は、企業を取り巻く経営環境について「東日本大震災や急激な円高などで、日本の企業は国内に残って仕事を続けていけるかどうか、崖っぷちに来ている」と述べ、極めて厳しい状況にあるという認識を示しました。そのうえで、宮原副会長は「企業としては賃上げよりも前に、もっと大きな社会的な使命がある。それは雇用を守ることだ」と述べ、連合側が求める給与の1%引き上げは困難だという考えを示しました。また、年齢や勤続年数に応じて賃金が上がる定期昇給について、「人材育成などの観点から、基本的に維持していくことが重要だ」としたうえで、「業績の厳しい企業の中には、定期昇給の延期を提案せざるをえない企業も出てくる」と述べ、東日本大震災の被害や急激な円高に苦しむ企業では、凍結も含めて議論せざるえないという考えを示しました。