豊田自動織機は、複数の電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHV)を効率的に充電するシステムを開発した。愛知県豊田市の7カ所で3月まで運用し、複数台を同時充電する時の利用者へのサービスのあり方と、電力量の制御方法を検証する。同市や同県、企業・団体が参加する「豊田市低炭素社会システム実証プロジェクト」の事業の一環となる。
開発したシステムは「スマート充電システム」と呼ばれ、充電に使う電力がピークを超えないように電力を分配し、契約電力内で充電電力を制御する。充電する車両ごとに入力電流を替え、設備能力や契約電力量に応じてピーク電力を制限。これによって設備の稼働率を100%にし、電力の利用効率を高めて設備導入・運用コストの低減につなげる。
充電スタンドは200Vの普通充電で、豊田市役所をはじめ7カ所に21基設置。充電電力量を制御する「スマート充電コントローラ」と呼ぶ機器と、複数の充電スタンドをつなぐ。制御の状況は、携帯電話回線で遠隔監視できる。スマート充電システムは国内の主なEV・PHVの車両特性に対応し、効率的な充電電力の分配制御で商用電力の負荷を低減する。
公共施設、商業施設、集合住宅の駐車場で複数台のEV・PHVを同時に充電する場合、設備能力や契約電力量に合わせた充電電力の制御が求められることから、開発した。豊田自動織機は、2012〜2014年度に機能を段階的に拡張する計画で、地域コミュニティー単位で電力の需給バランスを調整するエネルギーデータマネジメントシステム(EDMS)との連携を検討する。
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