原子力の安全規制を強化するための法案が閣議決定されたことを受けて、細野原発事故担当大臣が記者会見し、新たに発足する「原子力規制庁」の初代の長官は民間から選ぶ考えを明らかにしました。
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、政府は原子力の安全規制を見直し、各省庁に分かれていた規制業務を一元化した「原子力規制庁」を、ことし4月に環境省の外局に設置するなどの法案を、先月31日に閣議決定しました。これを受けて細野大臣が会見し、「初代の長官は官僚からの登用は考えていない」と述べ、民間から選ぶ考えを明らかにしました。そのうえで、「科学的、客観的な判断ができる専門知識があり、今回の事故に対して深刻な反省をしていることが条件だ」と述べました。また、規制庁の職員については、原子力を推進する組織からの独立性を保つため、「一定以上の幹部職員は、原子力を推進する組織に戻れない人事を考えている。職員は原子力の専門知識を持つ民間からも幅広く採用したい」と述べました。一方、法案には原発の運転期間を原則40年に制限し、延長する場合は最長で20年とすることも盛り込まれていますが、細野大臣は、「すでに40年を超えている原発が再稼働することはありえない」と述べるとともに、「深刻な事故に対応できない原発は20年でも、30年でも廃炉になる」と述べ、厳しく規制していく考えを強調しました。