千葉県に住んでいた女性にストーカー行為をしていた男が、去年12月、長崎県で女性の母親と祖母を殺害したとして逮捕された事件で、千葉県警察本部は、1日、長崎県の遺族の下を初めて訪れ、事前に繰り返し相談を受けていたにもかかわらず、事件を防げなかったことについて謝罪しました。
この事件は、去年12月、三重県桑名市の筒井郷太容疑者(27)が、千葉県で以前交際していた女性の母親の山下美都子さん(56)と祖母の久江さん(77)を、長崎県西海市の実家で殺害したとして逮捕されたものです。警察によりますと、筒井容疑者は、女性に暴力やストーカー行為を繰り返していて、女性が当時、住んでいた千葉県の習志野警察署は、女性とその父親から繰り返し相談を受けたものの、「被害届けの提出を1週間待って欲しい」などと伝え、事件を防ぐことはできませんでした。これについて、千葉県警察本部の幹部2人が、1日、長崎県西海市の遺族の下を初めて訪れ、謝罪しました。女性の父親は、先月、弁護士を通じて執ようなストーカー行為の被害を何度も訴えたにもかかわらず、警察から「まだ書類がそろっていないので逮捕できない」と言われたなどとして、警察に強い不信感を示していました。千葉県警察本部は、相談への対応や家族の保護などに問題がなかったかどうか検証を進めていることについても、遺族に説明したということです。
千葉県警察本部から謝罪を受けたことについて、女性の父親の山下誠さんは、弁護士を通じて文書で取材に答え、「一連の習志野警察署の対応について、疑問に思っていたことを質問書にまとめて渡しました。今後、千葉県警察本部から回答をいただく予定です」としています。