福島第一原子力発電所の事故の賠償金に充てるため、東京電力が売却する予定の東京・杉並区の福利厚生施設について、買い取りに応じる杉並区は、取得費として60億円を新年度の予算案に計上し、災害時に避難できる大規模な公園として整備していくことになりました。
東京電力が杉並区下高井戸に保有する「東京電力総合グランド」は、原発事故に伴う賠償金の支払いに充てるため売却する方針が打ち出され、買い取りを決めた杉並区が東京電力と交渉を進めていました。その結果、区は取得費を60億円として新年度の当初予算案に計上し、災害時の避難場所にもなる大規模な公園として整備を進めていくことになりました。施設は4万3000平方メートルと東京ドームとほぼ同じ広さで野球場やテニスコート、陸上トラックなどの運動施設が全体の70%を占めていて、区は残す施設を住民と協議しながら緑化を進める一方、避難路を作るなどして新たな防災拠点とする考えです。購入はことし7月がめどで、早ければ来年春には部分的に開放していきたいとしています。