国連本部(CNN) 国連安全保障理事会は31日、シリアのアサド大統領に退陣を促す決議案について協議した。この中でアラブ連盟は、アサド政権が変革に応じず、デモ弾圧を続けていると訴えたが、ロシアと中国は決議案に反対する立場を示した。
アラブ連盟のアラビ事務局長は演説で、シリアに選挙の実施や複数政党制への移行を求めた。カタールのハマド首相兼外相は「発端は平和的なデモだったのに、シリア政府による殺りくが続いている」「政府には協力姿勢がみられない」と述べ、「シリア国民の希望は皆さんの手中にある」と呼び掛けた。
これに対してシリアのジャファリ国連大使は、アラブ連盟がシリアの内政に干渉し、欧米側とともに事実をねじ曲げようとしていると主張。「問題解決は外部の意思ではなく、国民の意思で行う」と語った。
ロシアのチュルキン国連大使は、「内政問題の解決に外部の基準を押し付けてはならない」「国際社会の役割は紛争を激化させることでも、経済制裁や軍事力で介入することでもない」と主張した。
安保理が検討しているのはモロッコ提案の決議案で、アサド大統領に副大統領への権限移譲を促す内容。2カ月以内に挙国一致内閣を樹立するとのアラブ連盟案を実行するよう求める一方、経済制裁や軍事介入には言及していない。安保理には昨年10月にもシリアの暴力を非難する決議案が提示されたが、ロシアと中国がともに拒否権を発動したため、採択には至らなかった。
シリア反体制派によると、同国では30日に100人、31日に37人の死者が報告された。首都ダマスカスの東郊では政府軍による封鎖で電力や水道、燃料、食料などが不足し、通信も途絶える事態になっているという。
反政府団体の地域調整委員会(LCC)は31日、昨年3月にデモが本格化してから、子ども461人を含む7100人以上が死亡したと発表した。