反体制派弾圧が続くシリア情勢をめぐる31日の国連安全保障理事会で、アラブ連盟のアラビ事務局長は、アサド大統領の退陣を求める欧米理事国作成の決議案を早期採択するよう訴えた。だが、拒否権を持つロシアと中国が「内政不干渉」を掲げて反対、原案通りの採択は難しい情勢だ。
決議案は、大統領にシャラ副大統領への権限移譲を迫る連盟の和平仲介案に基づいており、アラビ氏は「早急に断固とした行動を取ってほしい」と呼びかけた。カタールのハマド首相も殺害された市民が国連の推計で5400人以上に上ることを踏まえ、「(アサド政権の)殺人マシンは動き続けている」とした。
協議にはクリントン米国務長官やヘイグ英外相らも参加し、アラブ連盟を支援する姿勢を強調。クリントン氏は「国際社会が隔たりを乗り越え、シリアの人々を支援する明確なメッセージを送る時だ」と訴えた。