埼玉

　首都圏連続不審死事件で、３件の殺人罪などに問われた木嶋佳苗被告（３７）の裁判員裁判の第１３回公判が３１日、さいたま地裁（大熊一之裁判長）であった。練炭自殺を装って殺害されたとされる東京都青梅市の寺田隆夫さん（当時５３歳）の死亡推定日を、木嶋被告と自宅で会った翌日の０９年１月３１日とする検察側と同年２月１～２日とする弁護側が対立した。

　寺田さんの遺体は０９年２月４日に、自宅の布団の上で発見された。遺体を確認した医師は、検察側の質問に対し、布団の下にホットカーペットがあり、スイッチが「強」だったことで「かなり腐敗が進行しており、死後１週間程度の印象を受けた。しかし、１月３０日の生存が確認されているので（死亡推定日を）翌３１日にした」と証言した。

　また検察側は、２月１日に寺田さんの携帯電話や自宅の電話に、計４回の不在着信の記録があり、寺田さんが既に死亡していた可能性を指摘。法廷に電話を持ち込み、寺田さんが吹き込んだ留守番電話の応答メッセージを流す場面もあった。

　一方、弁護側は独自に行った実験結果などを示し、ホットカーペットの熱で腐敗がより早まった可能性を主張した。弁護側は、０９年１月３０日に被告と別れ話になった寺田さんが、２月１～２日に自殺した可能性を指摘している。【飼手勇介、平川昌範】