日本軍慰安婦問題の解決を目指して、韓国与党のハンナラ党が31日、党内に初めての特別組織(タスクフォース)を立ちあげた。野党に呼びかけて韓国国会に慰安婦問題に関する特別委員会を設置する方針で、政府と協力して日本政府に早期解決を迫るという。
特別組織は鄭夢準(チョン・モンジュン)元党代表が呼びかけ、同日、政府幹部を呼んでの初会合があった。複数の参加者によると、政府幹部は、慰安婦問題の協議に応じるよう日本への働きかけを強めると同時に、1965年の日韓国交正常化時の協定で紛争時に設置できると定めた「仲裁委員会」の提案も視野に法的主張などの検討に入ることを説明。党側は独自に日本の国会への協力要請に乗りだすことを決めた。
特別組織は今後、日本の民主党が野党時代に国会に出していた「戦時性的強制被害者問題の解決促進法案」の実現なども解決策として提案していく。責任者の鄭玉任(チョン・オギム)議員は「韓国の政界と政府が一体となり、被害者が生きている間の一日も早い解決を日本に求めていきたい」と話した。
日本軍慰安婦問題は昨年12月の日韓首脳会談で李明博(イ・ミョンバク)大統領が議題に取りあげるなど日韓の懸案になっている。韓国政府に登録した元慰安婦234人のうち生存者は63人となっている。(ソウル=中野晃)