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前代未聞だ!直紀防衛相“行方不明”

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 田中直紀防衛相(71)が1月31日、参院予算委員会で開かれた外交問題の集中審議中、約20分間“行方不明”になり、審議がストップする珍事が起きた。風邪薬を飲んでいたと釈明したが、担当大臣が無断で席を立つ失態は前代未聞。委員会後は「居残り補習」を受けた。事実誤認の答弁で謝罪する場面もあり、資質にはっきりと疑問符が付くデビュー戦となった。この日、沖縄防衛局による宜野湾市長選介入疑惑も浮上したが、直紀氏で対応できるのか、不安を指摘する声も広がっている。

 「なぜ大臣がいないんだ!」「20分以上だ。かなり長いぞ!」。午後3時20分すぎ、参院予算委員会が騒然となった。玄葉光一郎外相が答弁中、直紀氏がいないことに気付いた自民党議員の指摘で、審議は中断。行方不明の直紀氏を捜すため、事務方があわてて委員会室を飛び出し、石井一予算委員長は「戻しますから」と平謝りだった。

 数分後、あわてて戻った直紀氏は「申し訳ございません」とひと言。野党から、さらに「どこに行っていたんだ!」と追及されると、「ちょっと風邪をひきまして、鼻水が止まらなくて。薬を事務所から取り寄せ持ってこさせた」。薬の受け取りが理由だと、あたふた釈明した。席を立ったのは答弁要求がない時間帯だったが、石井氏に「本日は答弁の要請がなくても、着席をお願いします」とくぎを刺され、直紀氏はばつの悪そうな表情を浮かべていた。

 この日の集中審議が国会論戦デビューとなった直紀氏は、午前中の衆院予算委員会から計6時間、出席した。長丁場ゆえ、トイレで一時席を離れる大臣はいるが、直紀氏の場合は長時間、しかも無断だったため騒動になった。席に戻った後も、はなをかんだり、背広のポケットからくしを出し、髪をなでつけるなど落ち着かない様子だった。

 肝心の答弁でも、失態を演じた。南スーダンの国連PKO活動に派遣された陸上自衛隊を、どの国が警護しているか質問されると、「今は決まっていない」と答弁。「決まっているはず」と指摘されると、渡辺周防衛副大臣が代わりに「バングラデシュです」と、訂正した。直紀氏は「そこまで理解していなかった」。席の背後にへばりつき、答弁内容を教える秘書官の努力も実らず、自衛隊出身の自民党佐藤正久議員から「基礎的なことが全然分かっていない。あなたとまともな政策議論をしても仕方ない」と、ダメ印を押された。答弁に窮して「こういう答えでよろしいですか」と、資料棒読みでしのぐ場面もあったが、質問に的確に答えない場面が多く、身内の石井氏に5回、再答弁するよう苦言を受けた。

 委員会後、直紀氏は民主党議員から、退席時のルールを説明された。報道陣に囲まれ、部屋を出て行く直紀氏に、同僚議員はあきれたように「話さない方がいいですよ」。野田首相は「就任直後でいささか緊張している。適材と判断した。しっかり職責を果たしてほしい」とかばったが、説得力のなさは直紀氏の言動が証明していた。【中山知子】

 [2012年2月1日8時23分 紙面から]


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