巨人ナイン「開幕投手は原監督をやり込めた東野でいいんじゃないか」
【野球】
300球を投げ込んだヤル気もさることながら
先発した前日15日の紅白戦では2回1安打無失点も、不安定な制球と球威不足で原監督に「東野はどう思ったか。あれほど(沢村と)スピードが変わったらいかんよね」と苦言を呈されていた。
「きのうの紅白戦で納得できなかったし、悔しかった。沢村が刺激? もちろんライバルだし、負けたくない」
と、新人に対抗心を燃やしてのこの日の熱投。原監督は「何か期するものがあったのだろう。今日こうなったのは、アスリートとして正しい道」と言い、川口投手総合コーチも「気持ちを感じました。沢村の加入によって尻に火がついている。いい効果が出ている」と目を細めた。
昨季はチーム勝ち頭の13勝。本気で開幕投手を狙っていたところに、ドラフト1位で最速157キロ右腕の沢村が入団した。先発で投げ合った紅白戦でもルーキーの引き立て役に回り、16日のスポーツ紙には「沢村開幕投手」の文字がド派手に躍って唇を噛んだ東野。
某選手が、「今年の東野は『開幕投手をやりたい』とチーム内のあちこちで口にしている。投手陣が崩れた昨年も13勝と一番結果を出した。新人の沢村はまだ実績はないし、さすがに開幕はないでしょう。東野なら誰も文句は言わない。アイツは肝っ玉も据わってるし」と言って、こう続ける。
「東野は愛煙家。それが気に入らない嫌煙家の原監督は、何度も禁煙を促し、東野が打たれると、決まってたばこの話を持ち出し、非難した。にもかかわらず、東野は『禁煙するのも信念なら、やめないことも信念です』と言って、あえて監督の前でもプカーッとやり続けた。みんなヒヤヒヤしていたのですが、昨年の球宴中に原監督と食事をした際、ついに監督の方が『もう、分かった。おまえは吸っていい!』と折れて、喫煙を認めさせたんです。20代選手では東野だけの特権です。チームでは誰もが顔色をうかがう原監督に白旗を揚げさせたのはアイツだけ。選手内で『大したもの』と妙に感心されている」
東野はこの日も、「もちろん開幕投手をやりたい」と宣言。開幕投手には、重圧をはね返すずぶとさが必要だとすれば、東野にはその資質があるというわけだ。