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時代の先読み
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日本の進むべき道
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我々の心構え
60ミニッツに出たパネッタ米国防長官
◆1月31日
アメリカの国防長官が、テレビ番組で、イランが決意すれば、彼らは1年間で核爆弾を製造できるだろう、と語った、と言う。また、もしもアメリカがイランが核開発をしているという情報に触れたならば、なんとしてでもそれを阻止するだろう、と語ったという。
これは何を言っているか、と言えば、イランは核爆弾は開発していないし、所持もしていない、またアメリカはイランが核兵器を開発しようとしているという情報も持っていない、ということだ。
彼はイランは核爆弾製造を『決意すれば』、1年で製造できるだろう、と言っているが、それは他の国でも同様であろう。日本も1年もあればできるのではないか?
更には、1月19日の「ロシア:いかなるイラン攻撃も容認できない」で示したように、イスラエルの情報機関も「イランはまだ核兵器を製造することまで決定していない」という情報を持っているのである。
これからいえることは、イスラエルもアメリカもイランの核計画に関しては、自分達の情報機関が集めた情報を見ても、イランは核兵器の開発はしていないし、開発する決意もしていないということを知っている、ということであり、それでなおかつ、イランの「核計画」を阻止するために、脅したり制裁を加えたりしている、と言う事実である。こういうのを、いじめとか、パワーハラスメントとか言わないか? 「いやな渡世だなー」(座頭市)
これこそが、自分の影に怯える「病理」体質の者たちのなせる精神疾患的行動なのだ。我々の日常生活でもときどきそのような人間が周囲にもいることがあるものだ。庭でバーベキューでも作っていると、三軒となりの家の精神疾患患者が「火事を起こそうしている!」とかいってわめき出す、などがそれだ。
反対にアメリカの国防長官が、イスラエルと自分達は共通のゴールを持っている、と語っているのは、イランはまだ核兵器開発を決意していないのだから、イランの核施設への攻撃はアメリカは考えていないし、イスラエルもしないはずだ、とイスラエルに釘を刺していることにもなるわけだ。
これでオバマ政権の意向はかなりはっきりしてきたと言えるだろう。
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●米国防長官:イランは一年で核爆弾を所有できる
http://www.theaustralian.com.au/news/world/iran-a-year-away-from-nuke-says-us-defence-secretary-leon-panetta/story-e6frg6so-1226257154858
【1月30日 The Australian】
イランは一年で核爆弾を、更に2年から3年で運搬手段を製造できる、とアメリカの国防長官は語った。
「アメリカと米大統領は、イランが核兵器を開発することは望んでいない、ということを明確にしておく」と、レオン・パネッタ長官はCBSの60ミニッツで語った。「これは我々にとってのレッド・ラインだ。これはイスラエルにとっても明らかに同様である。我々は従って共通のゴールを持っている」
パネッタはもしもアメリカ政府がイランが核兵器開発を進めているという情報に触れたならばアメリカは、「それを停止させるために必要なあらゆるステップを踏むつもりだ」と語った。
それは軍事的行動のことか、と尋ねられて長官は、「テーブルからはずされたオプションはない」と応えた。
「このコンセンサスは、もしもイランがそう決意したならば、彼らは核爆弾製造までほぼ一年を要するし、運搬手段を製造するのに更に1年から2年を要するだろう、ということだ」と語った。
昨年11月に出されたレポートでは、国際原子力機関(IAEA)は、10カ国以上から寄せられる情報と機関自身の情報筋からの情報は、「イランが核爆弾開発に関連する動きをしていることを示唆している」と語った。
軍事基地での鋼鉄製コンテナ内での爆発実験とか、シャハブ3弾道ミサイル弾頭研究など、IAEAが言う「高度に核兵器計画に関連する」疑わしい12の分野についての詳細をこのレポートは示している。
イランはこのレポートをでっち上げとして否認した。
イランは、このレポートが出されて以来、アメリカとヨーロッパ連合による原油と中央銀行に対する措置を伴う、かつてない国際的圧力下にある。
先週の一般教書演説の中でオバマ大統領は、核に関する問題でイランと平和的な妥結はまだ可能である、と語ったが軍事的選択肢の可能性は否定しなかった。
「イラン政権は、以前よりずっと孤立している;イランの指導層はダメージの大きい制裁措置に直面しており、彼らが責任を回避する限りこの圧力が和らぐことはない」と大統領は語った。
「アメリカはイランが核兵器を保有することを阻止する決意でいることは疑いないことであり、その目的を達成するためにはいかなる選択肢もはずされることはないだろう」と大統領は宣言し、スタンディング・オベーションを受けた。
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イスラエルのアロー3ミサイル
◆1月30日
一度キャンセルとなったアメリカ・イスラエルのミサイル軍事演習が再び計画に組み入れられたという。今年10月との話。
もしもイスラエルないしはアメリカ・イスラエルでイランの核施設を攻撃すれば、当然イランが反撃するが、その際イランから飛んでくるミサイルを迎撃するというのが、その主旨であろう。
つまりイラン攻撃はそれまではない、というように読める。また10月ともなれば、世界の経済・金融問題が大きな問題となっている時期と重なる。世界がこの問題で混乱のきわみに陥っている頃ともなれば、実際はイラン攻撃は困難になっている可能性が高い。
いずれにせよ、戦争へのベクトルを強めるイスラエルとアメリカ内のタカ派の目論見が崩れることを期待せざるを得ない。
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●アメリカ・イスラエルは過去最大となる共同ミサイル演習を10月に実施
http://articles.businessinsider.com/2012-01-27/news/30669498_1_israel-s-arrow-down-incoming-missiles-missile-system
【1月27日 Robert Johnson – Business Insider】
イスラエルは昨年12月下旬、数千名のアメリカ軍兵士と二つの最新鋭ミサイル・システムが参加する共同軍事演習を実施することを決定した、と発表した。これはホルムズ海峡問題でイランとの間で緊張が高まっていた時、入ってきた大きなニュースだった。しかしこの演習はキャンセルされた。
イスラエル・ニュースのエラド・ベナリはオステアー・チャレンジ12は10月の計画表に再度組み込まれ、その準備のためにアメリカの将校らが次週イスラエルにやって来ると報じた。
アメリカは戦域高高度空域防衛ミサイル・システムとイージス艦を展開することになっている。この二つのシステムはイスラエルのアロー、パトリオット、アイアンドーム・ミサイル・システムと共同で運用する。
準備が進められる間、イスラエルはそのアイアンドーム・システムをロケット攻撃に対抗させるため今後数ヶ月間精油所の防衛のためにハイファに設置する計画をしている。
イスラエルはまたミサイル開発予算を増額させており、新たに3基のアイアンドームを北方と南方の国境線のために組み込んだ。
イスラエル政府はまたアロー3ミサイル・システムの実射テストを成功裏に行い、ボーイング社と共同でアローミサイルを最高の対空ミサイルシステムにすると発表した。
アビエーション・ウィーク誌のアロン・ベン・デイビッドは、アロー3は遠方より侵入してくるミサイルに対して失敗を少なくするべく複数回迎撃をすることで撃ち落とす事ができると報じた。
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イラン国会
◆1月28日
イランが明日29日、国会でイランに制裁を課す側となったヨーロッパ諸国に対して即座に原油輸出を停止するかどうかの話し合いをするという。ヨーロッパ諸国が制裁を課すのであれば、イランも同じく独自の制裁を課す、ということだ。
もしもイランから良質の原油が今すぐにも入らなくなると、混乱するのはヨーロッパ側である。ひょっとすると、ギリシャなどがデフォルトに追い込まれかねない、という。
一度は世界帝国を築いたペルシャの末裔であるイランが、常に欧米側の仕掛ける工作にやられているばかりではないぞ、という意気込みと覚悟を見せるかもしれない。肉を切らせて骨を断つ戦法に出るかもしれない、ということだ。
木曜日のブログで示したように、イラン原油禁輸措置というものは、決して欧米側にとっても賢いやり方ではないのだ、ということだが、さらに今回の情報が意味することは、欧米側の目論見がいつも成功するとは限らない、ということだ。
もしも本当にイラン国会がそう決議すれば、ヨーロッパはパニックに陥るであろう。そろそろはじまるのであろうか? 何がって? 世界経済・金融津波の第2波が。
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●イラン原油禁輸措置のブローバック
http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/NA28Ak05.html
【1月28日 By Pepe Escobar】
ヨーロッパのプードルたちのお粗末な連中が、ペルシャ文化についていくらかでも分かっていれば、彼らはイラン原油への禁輸措置と言う経済戦争の宣戦布告に対するブローバックが軽いものではなくヘビメタ級になることを知っていただろう。
デスメタルよりかはいい。マジリス(イラン国会)のエネルギー委員会の審査官であるエマド・ホセイニによれば、マジリスでは29日(日)、公開でヨーロッパ諸国の内、禁輸措置に賛成した諸国に対する原油輸出を即座に停止するかどうかを話合うことになっているという。そしてそれについてはナセール・ソウダニ国会議員の丁重な黙示録的警告である以下の言葉がある:「ヨーロッパはイランの油田の炎の中で燃えるだろう」
ソウダニは、「ヨーロッパの製油所の構造はイランの原油と共にある」と語った時、それはイランの指導層全体の見解を表明しているのである。したがってヨーロッパはイラン原油の代替を持っていないのだ。禁輸措置は「石油価格上昇をもたらし、ヨーロッパ人は高価な石油を買わざるを得なくなる」;それは、ヨーロッパがイランの石油を仲介者を通して買わざるを得なくなることを意味する。
EUの制裁パッケージによれば、すべて存在する契約は7月1日までは継続されるが、新契約は許されない。そこで考えてもらいたいのは、イランがこの法案の先制攻撃を今後数日間の内に決議すればどうなるか、ということだ。スペインや特にイタリアとギリシャなどの危機に瀕する地中海クラブ諸国は、イランの軽くて高品質の原油の代替物を見つける時間もないまま止めの一発を食らうことになるだろう。
サウジアラビアは、余分な増産のキャパは持っていない;その上、サウド家の絶対的な優先順位は石油の高価格であるから、アラブの春の考え方を忘れるよう人々を買収することができる。
それで、既にガタついているヨーロッパの経済は、イランの原油を買い続けざるを得ないだろうし、それは今度は選択の勝負で勝利したハゲタカ・ブローカーから買うことになるだろう。
驚くことではないが、時代錯誤的にグローバル・オープン・マーケットに適用したこの冷戦で敗北した者たちはヨーロッパ人自身である。ギリシャは既に破滅の淵に臨んでいるが、イランから相当値引きされた原油を買ってきていた。禁輸措置でもたらされる可能性としては、ギリシャ国債のデフォルトであり、更にはカタストロフィックな連鎖反応がユーロ圏(アイルランド、ポルトガル、イタリア、スペインその他)に拡大する可能性だ。
世界はデジタルなヘロドトスを必要としている。文明なるものを代表していると自称しているこれらヨーロッパのプードルたちは、西欧文明自身の揺籃の地であるギリシャと、歴史上もっとも豊かな文明の地であったペルシャに一撃で同時に痛みをもたらすことができた。茶番劇としての驚くべき歴史的な悲劇の再演で、あたかもギリシャとペルシャは一緒になってテルモピュライの戦いで北大西洋条約機構軍の猛攻撃に遭っているかのようである。
■ユーラシア的やり方
これをユーラシア全体の行動と比較して見ると、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、「一方的制裁は効果がない」と述べていたのがわかる。中国の外相は如才なさを発揮しながらも、過ちを犯すことはない;「イランに対し盲目的に圧力をかけることと制裁を課すことは建設的なやり方ではない」。
トルコのアハメト・ダブトグル外相は、「我々はイランと非常に友好的な関係を持っている。そしてイランと5か国プラス1との会議を再開するよう努力しているところだ。トルコはこの問題の平和的解決を目指すだろう」と語った。
BRICSメンバーのインドは、ロシアと中国と共に、制裁を却下した。インドはイラン原油を買い続けるだろうし、支払いをルピーか金(ゴールド)で行うだろう。韓国と日本はオバマ政権から例外事例を引き出すだろう。
ユーラシア全体を通しての貿易はアメリカ・ドルから急速に離脱しつつある。アジア・ドル排除圏は、アジアがゆっくりと欧米銀行から離脱しつつあることを意味する。
この動きは恐らく中国が引っ張っているが、これは不可逆的に国際的なものである。再度、資金の動きを見てみよう。BRICSメンバーの中国とブラジルは2007年にドルを使用しないで取引し始めた。ロシアと中国は同じことを2010年に始めている。日本と中国は、アジアでトップの両国だが、先月同じことをし始めた。
先週、サウジアラビアと中国は紅海で巨大製油所プロジェクトを始動させた。インドはインドの石油の支払いを現在の媒介者であるトルコ銀行を通さずに、金(ゴールド)で行うことを秘密裡に決定しようとしている。
アジアは新しい国際的なシステムを欲している-そしてそのために動いている。その必然的な長期的な結果として、アメリカ・ドルは、これは決定的にペトロダラーであるが、ゆっくりと切り離されていく。「大きすぎて破綻させられない」ということは絶対的なことではなくなり、墓碑銘になることだろう。
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支払不能に陥ったペトロプラス
◆1月26日
イランの原油禁輸措置で欧米の製油所で閉鎖されるところが続出しそうだ、という。これこそ、自分で自分の首を絞める、ということだろう。お馬鹿の見本となる。
それもこれも、イスラエル・ユダヤ勢力がイランの「核計画」を「核『兵器』開発計画」だ、と捻じ曲げ強弁するキャンペーンのためであり、それに乗ろうとする欧米の軍・産複合体の圧力のせいである。
イランの核計画には何ら問題はなく、どの国でも行っていることを行っているまでのことである。それがイランだけは許されないということがあってはならないのだが、この勢力はイランのアハマディネジャド大統領が、「イスラエルを地図から抹消する」、と語ったから非常に危険であり、彼らの核計画が進めば、必ず核兵器を持つようになりイスラエルが攻撃されるのだから、その前にイランの核施設を破壊すべきだ、と言っている。
この論理には意図的に捻じ曲げた間違いがある。イランの大統領が言ったことはそんなことではない。そのことをこのブログでは、2010年7月27日号「イラン:1隻の米艦船に100隻の高速艇で攻撃」で示した。
イランの大統領はイスラエルを地図から抹消する、ということは言っておらず、「パレスチナ国家の権利を認めないシオニスト政権は歴史から抹消されるであろう」と言ったのである。物理的にイスラエルという国家を抹消する、ということを言ったのではない。ましてそれをイランが行うとは言っていない。自然的にそうなる、と指摘したまでだ。政権などはいつでも消えるものである。当然なことを言ったまでである。
ここをすり替えて欧米・ユダヤ系メディアはイランを悪者として喧伝し、それに追随する世界各地のメディアが情けない事だが同様のことを言ってきたのである。
従って、イスラエル・ユダヤ勢力の邪悪な工作のため、欧米の製油所・製油業者が倒産・閉鎖されていくだけの間抜けな話となるのである。いい加減に目を覚ましたら如何なものか?
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●イラン原油禁輸措置で欧米の製油所の閉鎖が急増
http://www.bloomberg.com/news/2012-01-25/iran-embargo-may-speed-europe-refinery-closures-after-petroplus-failure.html
【1月25日 By Alessandra Migliaccio】
ヨーロッパ連合がイランの石油に対する禁輸をしたことで、ヨーロッパの製油所の閉鎖に拍車が掛かる、とイタリアの製油業者ロビーの責任者が語った。
「アジア諸国で禁輸措置を取らない国々がイランの原油をディスカウント価格で買って、我々ヨーロッパ諸国に安い石油製品を売るようになる」とユニオン・ペトロリフェラ社のピエロ・デ・シモネ・ジェネラルマネージャーはローマで昨日、記者会見の席上で語った。
「イタリアは既に5つの製油所の閉鎖の危機にあり、ヨーロッパ全体では70の製油所が危ないと見ている」
ヨーロッパ連合(EU)は今週、イランの核計画に対する金融面での締め付けを狙う一環として、7月からイランの原油を輸入しないことで合意した。この政策は過剰設備と燃料需要の下落で製油所が苦労している最中のことである。ヨーロッパ中に5つの製油所を持つペトロプラス・ホールディング・AGは昨日、銀行の資金回収後に支払不能を発表した。
製油業者らはイランからの輸入の代わりにサウジアラビアとロシアから輸入するようになるだろうが、デ・シモネはアジアの製油業者らはイランの安い原油でもって競争相手に値下げ攻勢を仕掛けるだろうと言う。
「イランは彼らの原油をどこかで売らねばならないが、間違いなく彼らは買い手を見つけることだろう」と彼は述べた。「我々はより一層アンフェアーな競争をせざるを得ないということだ。ヨーロッパで何らかの手を打つか、さもなければ多くのヨーロッパの製油所はペトロプラスに似た急激な終焉に直面する危機がある」
国際エネルギー・エージェンシーによる1月18日の報告によれば、ブレント原油を精製してガソリン、ディーゼル、その他の燃料にする際の利ざやは北ヨーロッパでは昨年11月は1バーレル51セントであったが12月は26セントに落ち込んだ、という。
■プレッシャーの下で
「原油価格が高く、そのまま高値を維持しそうな中、利幅はずっと小さいままになりそうなプレッシャーの下にある」と昨日、バークレーPlcのアムリタ・セン・アナリストは述べた。「欧米で利益の出ていない製油所の閉鎖がまだ続くと思っていいだろう」
アメリカのエネルギー省のデータによれば、EUは2011年前期ではイランから1日45万バーレルを輸入していたが、中国は同時期53万3000バーレル、インド、韓国、日本は合計で91万3000バーレルを輸入していたという。
2010年にはイランからのEUによる原油輸入でイタリア、スペイン、ギリシャ合わせて68%を占めていたと、欧州委員会のデータは示している。ユニオン・ペトロリフェラの統計によれば、イタリアのイランからの輸入量は13%であるという。
■キャパシティー・ギャップ
デ・シモネは、イランが供給している重い原油に特化されている小さくて古い製油所の被害が大きいと述べた。イタリアは最近、年1億300万トンの燃料を生産する能力があるが、国内需要は7400万トンである、とデ・シモネは語った。このギャップは4つから5つの小さな製油所のキャパと同じである。ブルームバーグのデータによれば、ヨーロッパはロシアを入れれば175の製油所を持つ。
「我々はこれからは大きな製油所、とりわけ需要が増しているディーゼルを生産できるところが生き残るだろうと思う。それとて簡単なことではないだろう」と彼は語った。
過剰設備はこれからの数十年間の製油産業を「厳しい」ものにするだろう、と18日、BPのチーフ・エコノミストであるクリストフ・ルエルは語った。
スウェーデンの製油業者のプリーム・ABは昨日、ゴッテンブルグとリュセキルの製油所の労働力を10%削減すると発表した。
デ・シモネの会社は、低価格を申し出る国から輸入する、なんらかの輸入義務に好意的になるだろう。それはヨーロッパの製油業者の環境面・安全保障面・労働者への保証面と比べて同じレベルにないからだ。
「アジアと極東の製油業者らは不公平なアドバンテージのため利益を出すだろうが、これはなんとかする必要がある」とデ・シモネは語った。
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シリア監視団団長モハマド・アル・ダビ中将と監視団員
◆1月25日
シリアのアラブ連盟監視団の団長が任務終了後の記者会見で、きちっとシリアでの現状を語ったようだ。内容はほぼこのブログで指摘してきた内容と一致するものだ。
ようするに武装勢力がかなりハデにシリア内で、特に政府施設、公共施設への襲撃を行ってきて、それに対して保安部隊や警察が応戦してきている、ということだ。
バスやパイプライン、発電所や橋への襲撃、ということは、これはゲリラ活動ということであり、これに対し政府が鎮圧部隊を送って掃討作戦を遂行することは当然の政府としての責任であり、任務であるが、欧米側の大手メディアはこれを平和的抗議デモに対する血の弾圧である、と喧伝してきたのだ。
このモハマド・アル・ダビ中将なる人物は、なかなかの人物のようだ。欧米側の誘惑や脅しや根回しのようなことはそれなりにあったのであろうが、この記者会見での発言内容を見る限り、真っ当なことを言っている。
もっともこのシリア監視団は派遣される前は世界中で騒がれたが、いざシリアが受け入れを認め実際に監視団が来てからは、欧米側の主張は手のひらを返すように変化し、監視団は失敗だ、という論調が体勢を占めた。これは監視団の陣容、恐らくはこのアル・ダビ中将なる人物が欧米側の意向に沿った動きをしない、ということが分かったからであろう。
この件では既に1月3日号「イギリスのシリアに対する陰謀」で以下のように書いたが、その通りになった。
「アラブ連盟の監視団は、シリアに入国していろいろな実態を見聞きしている。それを通して、シリアで何が起きているのか、実際に自分達の目で見て体験している。反政府デモが無いわけではないが、また同時にアサド政権支持のデモが大掛かりに何回も行われていることを目の当たりにしている。また武装勢力がテロ活動をしていることも分かってきた。だから、彼らが出す結論は欧米側の意図したものとかけ離れる可能性が出てきている」。
今、大手のメディアはこのアル・ダビ団長の記者会見の内容を無視して報じていない。だから、大手メディアは駄目だ、と言うのだ。監視団がシリアに入るまでは大騒ぎしたくせに、監視団の報告内容が、彼らの目論見、推測、期待と異なっていると、途端にこの「無視」という汚いやり方だ。NHK もその他の大手メディアも猛省せよ、と言いたい。
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●アラブ連盟監視団長:シリアでは武装テロリストが公共施設を襲撃
http://www.sana.sy/eng/337/2012/01/23/396023.htm
【1月25日 SANA】
アラブ連盟監視団長のモハマド・アル・ダビ中将は、シリアでは武装テロリストらが政府の施設を襲撃しており、そのため政府の保安部隊が応戦を余儀なくされている、と主張した。
23日カイロで行われた記者会見で、アル・ダビ中将は多くのテロリストの爆弾襲撃がイドレブ市の政府の施設に対して行われているが、これは全く受け入れることのできないことであり、軍・民間のバス、石油・ガスパイプライン、燃料タンク、橋、発電所、高圧線用鉄塔、などが襲撃の標的にされている、またダマスカス郊外でも爆弾事件が起きていると語った。
シリア政府は協力的であり、道路で我々監視団を保護してくれていることを強調し、更に政府は我々監視団への干渉はせず、また同伴もしていない、と語った。
アル・ダビ中将は、シリア政府は都市から軍を撤退させ、戦車や航空機その他は出動していないこと、メディアの信頼性に疑問が出てきていること、いくつかのメディアは監視団の扱いに厳しいこと、公表されたことが監視団の業務に影響を与えることは全く無いこと、監視団は見たことを叙述し、目撃した事実を描写する、監視団は推測、分析、個人的考え・意見に頼ることはしなかった、と語った。
彼は、暴力沙汰は監視団が到着してから徐々に減少している、また監視団は抗議運動の間、緊張を和らげる面で支援した、抗議運動に対する攻撃は起きなかった、と指摘した。
アル・ダビ中将は、反対派の中のある者たちは、拘留されている者たちの数に関して異なる数字を監視団に与えていたと語った。監視団はこういった数字は一般的推測で、正確ではないことを知った、と語った。そして、シリア政府は監視団に対して、特赦の判決前に4035名の逮捕者らが釈放され、釈放された者たちの数が合計7614名になった、と語った。更に監視団は、2316名ほどの者たちが軍事裁判で釈放され、2239名が報告書が書かれた後に釈放されることになっている、と語った。
中将は、シリア政府は147名の大手のマス・メディアのジャーナリストの入国を認め、監視団はシリア政府とジャーナリストのビザ期限の延長を話し合い、シリア政府はこれに同意し延長措置を取り、シリア入国を希望するメディアのエージェンシーに入国許可を与える姿勢を示した、と指摘した。
アル・ダビ中将は、監視団は政治的な意見を発表するという使命は与えられていないことを強調しながら、その任務内容はプロトコルの実施をモニターし、監督することであり、調査をすることにあるのではないという事実にも拘らず、いくつかのマスメディアは監視団の事を厳しく批判し、監視団は失敗だと非難していたと語った。
彼は、マスメディアは現地にいるのであるから、事実に依拠するよう要請した。
報告書は彼が発行したものではなく、むしろそれは全ての監視団メンバーが提出した内容を基礎として作成されたものだ、と語った。
「いくつかのアラブのテレビ局と機関は、彼らが望む内容を書かないと言って監視団に対する攻撃をしていた」と付け加えた。
アル・ダビ中将は、監視団はシリアでの任務遂行期間中に、国民的対話を始めるよう督促する必要がある、と強調した。それは、監視団の存在が好ましい結果に導くだろうと考えられるからだ、と述べた。
彼はまた監視団は多くの間違った報告を受け取ったが、監視団メンバーが安全であり彼らの任務遂行が妨害されていないことを確認しながら、立ち去る前に情報の出所を確認することを通してそれらを排除した、と語った。
オブザーバーらの何人かの声明について、アル・ダビ中将はファヒム・アル・アトラシ・オブザーバーはまだ監視団と共にあり、彼は声明は発表しておらず、報道されたものは事実ではないこと、またアンワール・マレクにおいては、病気であったため、外出したのはたったの1回だけだったということで、彼はホテルに残留している。ただし残留は監視団の任務とは関係ない、個人的なものだと彼が言った、ということを指摘した。
アル・ダビ中将に対する何人かの疑念については、彼は、「私は自分を守らねばならないお尋ね者ではないので、メディアで言われた事柄について語ろうとは思わない」と語った。
反対派の非難について、アル・ダビ中将は、反対派の主張や彼らの幻滅に回答することは、彼の義務の範疇にはないことであり、自分には全く関係ないことだ、と語った。
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