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      | イビチャ・オシムの「オシム問答」 | Lesson.2  2011.4.4
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 ▼Lesson.2 目次

 【1】 〈今週の「オシム問答」〉
     「日本人の強い連帯感を示したチャリティマッチ」

 【2】 〈オシムとの対話〉
     「世界がこの経験から何かを学んで欲しい」

 【3】 〈オシムの眼〉
     「本田圭佑と香川真司をどう見ているか?」(後篇)

 【4】 〈オシム家のテレヴィジョン〉
     「レアル・マドリー対レアル・ソシエダ観戦記」(後篇)

 【5】 〈読者とのオシム問答〉
     「オシムが考える“エレガント”とは何か?」

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 ■「イビチャ・オシムの『オシム問答』」公式ブログ:
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 ■田村修一 (@footballanalist) 
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 【1】 〈今週の「オシム問答」〉
     「日本人の強い連帯感を示したチャリティマッチ」
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3月29日、大阪・長居スタジアムでおこなわれた日本代表対Team As One(J
リーグ選抜)のチャリティマッチは、ユーロスポーツを通じてサラエボでも生
放送された。試合を見たイビチャ・オシムは、次のようなメッセージを日本に
向けてよせた。

               ★       ★       ★       ★

 まず言いたいのは、すべてがまだ収束していないこの時期にチャリティマッ
チを開催して、内容のあるものにするのはとても難しいということだ。日常的
な練習もままならず、特に選抜チームは水の運び役(汗かき役の選手)が不足
しがちになる。
 だが、選手たちは、自分のやるべきことをきっちりと果たした。同時に彼ら
はとてもシリアスであり、スタジアムの雰囲気もそうだった。そこがまずよか
った。
 多くの人々がスタジアムに集い、連帯の気持ちを表した。被災地の人々を支
援するために、自分たちはここにいる。選手はそのためだけに集まったし、サ
ポーターも同じで、心をひとつにするために集まった。
 どんなに困難な状況にあっても、日本人にはそういう特別な気持ちがあるこ
とを、明らかにした試合でもあった。それはまさに連帯感といえるものであり、
日本という国、日本という名前と深く結びついている。
 選手たちはその連帯の気持ちを示すためだけに世界中から集まり、緊迫した
試合を90分戦い抜いた。素晴らしいことだ。

 この種の試合は往々にしてスタートはゆるやかで、ゴールが生まれることで
選手が真剣になることが多い。だが、今日はそれ以前に、彼らは単に試合をし
に来たのではなかった。それ以上の意味がこの試合にはあったから、彼らは最
初から真剣だった。
 それこそが、優れた選手のメンタリティであるといえる。誰もが胸に誇りを
抱き、負けたくない気持ちが強かった。
 チャリティマッチだから勝負にこだわらないなどと思っている選手を、いざ
というときに頼りにはできない。何かをするときには、常に100%を出し切る。
半分の力で済まそうとしていいわけがない。
 そして彼らは強い気持ちと性格を示した。特に若い選手にとっては、彼らが
そうした強さを持っていることを示すいい機会だった。経験豊富なベテランた
ちと同じ強さを。
 実際、若い選手たちは、彼らに信頼が置けるのは決して偶然ではなく、信頼
に値するものを持っていることをはっきりと示した。集まった選手、ピッチに
立った選手のすべてが、見る価値のある選手であることを証明した。
 それこそがサッカーの未来であり、今日、サッカーが勝利したと私が思うの
は、そうしたことがわれわれの眼の前で明らかになったからだ。

 もちろんサッカーはサッカーでしかないが、サッカーを通じて他の人々――
他の国の人々とも連帯を築くことはできる。多くの人が試合を見に来たのも、
それがわかっているからだろう。
 彼らの払う入場料は、被災地の人々の援助に回される。ひとりひとりの払う
額は少なくとも、何万人もが同じことをすれば、大きな金額になる。だからこ
そ彼らはスタジアムまでやって来た。

 日本人にはそうした強い連帯意識があることを、世界中の誰もがよくわかっ
ている。今日の試合はその事実を、改めて明らかにした。
 世界にとっても、ひとつのいい例になるだろう。ヨーロッパの選手たち、ボ
スニアの選手たちも、貧しい人々や困っている人々のために同じような試合を
開催できることを、日本が示したからだ。
 世界のどこにも問題はある。貧困の問題や、民族・部族の問題、宗教の問題
……。そうした問題を解決する契機としての試合、人々の連帯意識を喚起する
試合をやり得ることを、被災地である日本が身をもって示したのだから。

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 【2】 〈オシムとの対話〉
     「世界がこの経験から何かを学んで欲しい」
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オシム家の電話(固定電話)は、ほとんどの場合アシマ夫人が受ける。夫人が
不在であったり、手が離せないときには次男のセルミル(グラーツ)や長女イ
ルマ(サラエボ)が受け、オシム本人が電話に出ることは、私の知る限り1度
もなかった。

ところがほぼ2週間ぶり(3月25日)にサラエボに電話をすると、受話器を取っ
たのはなんとオシム本人だった。アシマ夫人とこれからの電話インタビューの
段取りを話すつもりだった私は、慌てて頭を切り替えながら、ボイスレコーダ
ーの録音スイッチを押したのだった。

               ★       ★       ★       ★

──お元気ですか?
オシム:ああ、元気だが今日は大変だ。EUROの予選がたくさんあるからな。
すべて夜のゲームだから、これから午後の間、ずっと待つことになる。
──ボスニアの試合もありますね。
オシム:ルーマニアとのEURO予選がある。勝った方の突破が確実になるよう
な、予選の行方を左右する大事な試合だ。誰もが心してテレビの前に陣取り、
心してスタジアムに向かう試合だ。そのうえ試合会場が、サラエボではなくゼ
ニチャになったからな。サラエボから70kmのところにある小さな街だ。
──どうしてですか?
オシム:選手がサラエボの試合を嫌がった。ゼニチャで試合をして勝ちたいと、
彼らが言いだした。というのもサラエボでは、政治的な問題が山積していて雰
囲気が良くないからだ。だから選手たちはゼニチャを選んだ。
──サラエボの状況は複雑であるわけですね。
オシム:常に難しい。で、日本はどうだ。少しは状況が好転したのか?

──いえ、原発の事故はまだ収束してはいません。空気や水の汚染は広まり、
原子炉の修理もできてはいません。
オシム:それは危険じゃないか。
──ええ、危険はどんどん高まっています。
オシム:放射能が問題になっているわけだな。
──大気の中に広がっています。
オシム:飲料水も危ないと聞いた。食料も危険なのだろう。子供にとっては望
ましくない状況だ。
──特に乳幼児には危険です。
オシム:その通りだ。だが地震に関しては、そろそろおさまって欲しいと心か
ら思う。
──以前に比べれば回数もずっと減り、ほぼおさまったようにも見えます。今
は原発が最も大きな問題です。
オシム:誰にとっても問題だ。原発があるのは日本だけに限らないからな。ヨ
ーロッパもどこにでもある。だからこそ日本のこの経験が、他の国々に役に立
つことあるだろう。
──そうであって欲しいとは思いますが……。
オシム:原子力発電所やドイツにもオーストリアにもたくさんある。どの国も
主要電源として活用している。だからこそ日本の経験を、他の国々が有効に活
用して欲しい。ドイツもすでに、日本の地震の後で原発の活動を停止している。
恐れを抱いたからだが、当然のことだ。それで、きみは大丈夫か?
──ええ、個人的には元気です。
オシム:それはいい。

■「その後の世界をどう生きるかが大きな問題だ」

──火曜(3月29日)に大阪でチャリティマッチがあります。日本代表対Jリ
ーグの選抜チームです。Jリーグの監督はピクシーで、チケットはすでに完売。
今は誰もが試合を待ち望んでいます。
オシム:日本はこういう難しい状況で、どう進んで行かねばならないかを常に
示そうとしている。それから連帯の必要性を。試合はまさに被災した人々への
連帯であるからだ。とてもいいことだ。
 新聞を読むとヨーロッパでも多くの試合がある。親善試合もそうだし、小さ
な試合でも、得た利益を日本に送ろうとしている。ユースの試合ですらそうし
たことを行っている。

 私もサラエボの日本大使館に行って、大使やその他の人々と話をした。大使
とはしばらく前からの知り合いだがとても友好的な人物で、私は彼に日本がこ
れまでボスニアに対してしてくれたことに対してお礼を言った。資金やその他
の援助に対してだ。
 ボスニアは日本に同じことはできない。日本ほど豊かではないから、現実的
に不可能だ。できることなら同じように今こそ日本を助けたいが、同じことを
日本にやり返すには、われわれは国が貧しすぎる。
 私としては、これが日本で最後の大地震であることを願うばかりだ。2度と
起こって欲しくない。今、願えるのはそれだけだ。
 地震はいつ起こるかわからないからな。東北地方、特に仙台やその北の地域
が、地震の頻発地帯であるにしてもだ。対策の立てようがない。
 できることならば、世界がこの経験から何かを学んで欲しい。日本のこの不
幸な経験から。だが私の印象では、苦い思いをしているのは常に日本で、世界
はそこから何も学んでいないように見える。
 地球もまたひとつの大きな生命体であること、人間と同じように息づいてい
ることを、他の国々の人々が理解しているとは思えない。常に注意していない
と暴れだす。そして地球はすでに暴走を始めている。戦争や環境破壊など、人
類の犯した愚かさによって。
 さまざまな問題の多くは、人類が不用意であることから起こったものだ。地
震は防ぎようがないにしても、気候問題=温暖化などはまさにそうだろう。そ
して問題が起こってしまった後で、その後の世界をどう生きるかが大きな問題
だ。

──その通りですが……。
オシム:ではどう生きるのか。世界中の人々に食糧を供給する。簡単には解決
できないとても大きな問題だ。科学の力で人工的に解決できる部分もあるだろ
うが、それにしても莫大な金がかかる。
──地震と津波に話を戻すと、死者は1万人を超えて行方不明は2万人、避難
している人は20万人以上です。
オシム:人が増えれば増えるほど、食糧は足りなくなる。水やミルクなどの飲
み物も不足する。深刻な問題だ。サッカーも大事だが、人生においてはサッカ
ー以上に大事なこともある。日常生活こそ最も重要だ。
──そうですね。しかしまだそれをはじめられる段階ではないです。
オシム:そうだろう。最悪を通り越してから、それは始まるのだから。

■「この経験が、あなた方が未来を生き抜くために役だって欲しい」

──あなたが前回われわれにくれたメッセージは、人々をとても勇気づけまし
た。
オシム:唯一確実なのは、日本人はずっと昔から勇敢であったことだ。しかし
今、私がしばしば困惑するのは、誰もが日本人には経験があると言っているこ
とだ。たしかにそうかもしれないが、今回の場合は経験がほとんど役には立た
ない。
 地震が起こるのは常に同じで日本だ。それこそ終わりにすべきことだ。経験
があろうとなかろうと、日本のみが対価を支払っている。恐らく他の人たちの
分までも。どうしてそうなってしまうのか。
 こう言わざるを得ないのはとても残念だが、日本の人たちはこうしたことに
慣れている。だからこそこの経験が、あなた方が未来を生き抜くために役だっ
て欲しいと心から思う。それはまた、日本以外のすべての人々にとっても貴重
な経験になる。

 とはいえ経験を生かすばかりでは何とも……。日本にばかり起こりすぎる。
日本、日本、日本……、いつも日本だ。いいかげん終わりにして欲しい。
神がいるのならば私はこう言いたい。もう日本は止めてくれと。あなた方には
多くの経験があるがもう十分だ。私の知るすべての日本の知人たちのために、
そしてもちろんすべての日本人のために、こういうことはこれが最後になって
欲しい。
 あなた方にはこう言う権利がある。「そろそろ自分たちは外してくれ」と。
もちろんそれは、他の国の人々が日本と同じ運命を辿っていいということでは
ないが。
 他国の人々が、今度は日本を助ける番だ。資金的な援助や薬品など物的援助
ももちろん必要だが、それだけでは十分ではない。精神的にも助ける必要があ
る。常に同じ人々が被害を受けているのだから。そして繰り返すが、これが最
後になって欲しいと切に願う。
 人間は自然をコントロールすることはできないが、自然や神に対してそう願
うことはできる。これが本当に最後で、次に電話で話すときには、状況がずっ
と良くなっていることを私は願ってやまない。そういうわけで、どうもありが
とう。

■「戦争や憎悪は忘れて、新たな関係を築くべきときだ」

──それであなたのこれからの予定は?
オシム :今日はテレビでEUROの予選試合をほぼすべて放送する。いいカー
ドもたくさんある。ボスニアやクロアチア、ドイツ、オーストリア……。すべ
ての国がプレーするから、私もそれらを見ようと思う。それからジェレスニチ
ャルのクラブ創設100周年記念試合もある。ここ(サラエボ)でディナモ・ザ
グレブと試合をする。
──それも今日あるのですか?
オシム:ああ、サラエボでおこなわれる戦後最初の親善試合のひとつだ。
──素晴らしいことですね。
オシム:新たに関係を構築するいい機会だ。ディナモとジェレスニチャルは、
昔から因縁が深かったからな。
 ディナモは常にクロアチアを代表するクラブで、ボスニアにはクロアチア人
がたくさん住んでいる。サッカーの枠を超えて、政治的にも大きな意味のある
試合だ。両国が最初のコンタクトをはかるまたとない機会であるからだ。戦争
や憎悪は忘れて、今は生活を元に戻し、新たな関係を築くべきときだ。
 これが以前のような(旧ユーゴ全体の)リーグを再結成する契機になってく
れればとさえ思う。クロアチアやセルビア、ボスニア、モンテネグロなど、す
べての旧ユーゴのクラブが参加するリーグを。そんなプレミアリーグができれ
ば、プレーのクオリティもずっと高くなる。
 次にレッドスターやパルチザン、ハイデュクと同じような試合をすれば、そ
れは統合への動きが少しずつだが進んでいることを意味する。それを今から始
めるべきだ。戦争のことばかりを口にしながら、これからも生きていくのがい
いはずはないのだから。
──変えていかねばならないし、新たに始めなければならない。
オシム:徐々に、そして着実に。関係を再構築するために、すべてをまた結び
つけていくべきだ。だから私は午後にその試合を(スタジアムに)見に行く。
そして夜には他の試合を(テレビで)見る。まずボスニアのゲームを見て、そ
れから他の国々の試合だ。

──後で読者の質問をFAXで送ります。
オシム:ああ、そうしてくれ。何の問題もないし、きみは私が何を考えている
かよくわかっているから、それをすべて説明する。
 日本はここまでに大きな進歩を遂げた。さらに良くなって欲しいと思う。そ
れにはビッグクラブや大国を模倣するのも、ある程度は必要だろう。すべての
チームの模倣はできないが、バルセロナや他のビッグチームのようなスペクタ
クルを模倣するのは意味のあることだ。お金はさほどかからない。
 それよりも今まで以上に努力し、集中すれば可能だし、サッカーは生活のな
かで大きな割合を占めるようにもなる。素晴らしいサッカー、素晴らしいプレ
ーで、地震の惨禍を忘れさせるようにする。そうなれば素晴らしいではないか。
人々がこれまで以上にスタジアムに集まり、試合を称賛するようになれば、そ
れは新しい生活が始まったことを意味するし、人々の生活が正常に戻ったこと
を意味する。復興がなって、日常生活を再び営めるようになったことを意味す
る。
 つまり学校に行き、サッカーをプレーする。試合を見る。あるいはレストラ
ンに行き、いつものように生活する。家族や、子供、学校……。普段やってい
ることをやる。あるいは釣りに行って、その成果を刺身や寿司にする。それこ
そが日本だ(笑)。きみはちょっと太り気味だから、注意した方がいいぞ。

──少しダイエットした方がいいですね(笑)。
オシム:そうだ、運動して痩せた方がいい。きみにそういうのは、私に経験が
あるからだ。それも悪い経験だ。だからこそ小さなことにも神経質になるし、
それが大事であることもよくわかっている。愚かな過ちを犯すべきでないこと
も。人は1度の人生しか生きられない。2度繰り返せるわけではないからな。
だからこそ注意が必要だ。ストレスやプレッシャーがあっては、普通の生活は
営めない。
 すべての要素が今はとても重要だ。人生そのものではなく、人生の質が重要
だ。地震や津波、戦争などが人生を脅かす。そこから生じるプレッシャーは人
生に悪影響を与える。
 人々が静かに暮らせること、普通に暮らせることがどれだけ重要であるかを
理解し始めて欲しい。小さなこと、さまざまなネガティブな要因に惑わされる
ことなく。静かにそして着実に、普通の生活を営む準備をする。なるべく長く
生活できるように。よりよい生活ができるように。最終的に大事なのはそうい
うことだ。家族があること。両親がいて子供たちがいること。
 災害に対処する以外にも、すべきことがある。生活をすること。日常生活を
生きること。サッカーの試合を見ること。野球や他のスポーツを観戦すること。
そしてサッカーを見ることで、地震や津波をいっときでも忘れることができる。
それが生きるということで、今は日常生活を再びはじめることがとても大事だ。
もちろん東北の被災地の方々にとって、簡単でないことは分かっている。言う
のは簡単だが、実際に実行するのはとても難しい。
 ところでJヴィレッジはどうなった?

■「あなたがたが経験したカタストロフをともに生きるために」

──全員が避難しました。
オシム:原発からとても近いからなあ。10kmも離れていないだろう。私が行
ったときも、すぐ近くにあったのを覚えている。原発から施設の全容が見えた。
 あそこでも日常生活が続いて欲しい。すなわちチームが練習を続け、選手た
ちがあそこで生活する。それこそ新しい生活が始まったことの証であるのだか
ら。そこに至るのは簡単ではないし、大きな困難があるだろう。しかし……。
──やり遂げなければなりません。
オシム:これが本当に最後になることを。そして地震が疲れて揺れることを止
めるのを願う。
 オーケイ、妻が戻って来た。妻からも皆さんによろしく言ってくれ。そして
またすぐに会えることを願っている。ヨーロッパや日本の出来事を語るために。
それには生活しなければならないし、テレビを見たり新聞を読んで世の中の出
来事を知るようにもしなければならない。
 ここでも毎日のように、日本のニュースを伝えている。地震と津波がどうな
ったか、原発事故がどうなっているのか。そしてこちらの人々も、日本に大き
な関心を抱いている。
 大したことではないかもしれない。何故なら日本に比べたら、ボスニアはほ
んの小さな国にすぎないからだ。しかしそんな小国でも、日本で起こった惨事
に心を痛めていることを知るのは、意味のないことではないだろう。
──それこそが連帯ですから。

オシム:今、われわれにできる唯一のことだ。あなたがたに経済援助をするの
は難しい。われわれの国は、それには小さすぎるし豊かでもない。
 だがあなたがたの国で起こったことを、自分のことのように感じて共感する
ことはできる。大事なことだと私は思う。日本はボスニアに様々な援助をして
くれた。こちらの人々はそれをよく理解し感謝していることを、私はきみたち
に伝えたい。
 サラエボは小さな街だが、その市民のほとんどが日本大使館を訪問した。あ
なたがたが経験したカタストロフをともに生きるために。記帳して、日本の人
々に追悼の意を表した。
──それは本当にどうもありがとうございます。
オシム:いや、日本人にお礼を言いたいのはわれわれの方だ。ボスニア人とし
て、私はそれを言いたい。
 日本人の女性歌手が今、サラエボに住んでいる。彼女は以前にもここに住ん
でいたが、今度またアパートを借りて住み始めた。日本の思い出を語り合える
相手がいるのは素晴らしいことだ。
 そしてテレビでは、チャンネル2とユーロスポーツが毎週のようにJリーグ
の試合を放映している。毎週土曜に1試合放送して、日本がわれわれの生活の
中に組み込まれている。
 そういうことだ。ではまた。
──ありがとうございました。

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 【3】 〈オシムの眼〉
     「本田圭佑と香川真司をどう見ているか?」(後篇)
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オシムが独自の視点から、さまざまなテーマを論じる「オシムの眼」。前回は
「アフリカの太鼓のような凄いゴールを決める」とストライカーとしての本田
の実力を認めながらも、エゴイストに陥らないように注意すべきだとオシムは
警告を発していた。本田とともにこれからの日本代表を背負って立つ、香川の
ことはどのように分析しているのだろうか。

               ★       ★       ★       ★

 ビッグクラブへの移籍を本田は狙っているようだが、まだ早いというのが私
の印象だ。というのもビッグクラブはどこも、スピードのある選手を求めてい
るからだ。またバルセロナで危険な存在になるには、ゲームメイカーとしての
プレーができないと駄目だが、それには両足でプレーできることが必要だ。と
ころが彼は左足しか使えない。右足は階段を登るためにしか使えない(笑)。
そのうえバルサでは、プレーのスピードも求められる。彼は屈強で大きいが、
羽生のようにはなれない。
 今の本田は、判断にまだ多くの時間が必要だ。どこにパスを出せばいいのか、
どこにシュートを打つのか。それを考えて彼は時間を浪費している。だから相
手も彼の仕掛けをブロックできる。相手はより速くプレーすれば、本田を抑え
られることを理解しはじめた。本田には厳しい状況だ。スピーディにプレーす
るには、より高い技術と集中力が同時に求められるからだ。クリアな視野と判
断も必要だ。

 彼が最も危険なのは、ストライカーたちの後ろでプレーするときだが、今は
守備も少しできるようになった。以前に比べ、ディシプリンはずっと進歩した。
相手DFの背後を走るし、守備もよくやる。ポジティブなことで、だからこそ
彼は今のポジション(ボランチ)でプレーしている。それができなければ、ロ
シアであのポジションはプレーできない。CSKAはビッグクラブで、そこでプ
レーする選手には大きな責任がのしかかる。ディシプリンのない選手はプレー
できない。彼はいいチームに移籍した。毎週の試合が難しく……、クラブには
ボスニア人選手もひとりいる。ラヒミッチだ。彼は本田の後ろでプレーしてい
る。本田がトップ下で彼はボランチだからだ。

■「香川は今、遠藤と俊輔の後継者になろうとしている」

 だが日本代表となると、日本にはすでに香川がいる。香川の方が、すでに本
田よりずっと危険で機動性もある。とても効率的でもある。彼は得点の準備も
するし、自分でゴールも決める。すでに理想的なプレーをしている。
 香川にしても、最も力を発揮するのは、トップ下のゲームメイカーだ。彼は
常に仕掛け、そのシュート力とアイディアで常に危険な存在だ。そのうえ彼は
とても若い。彼にとってとてもいいリーグでプレーしている。これからも進歩
する以外に何もない。
 ドイツから学ぶことはたくさんある。ドイツはサッカーの優れたエコール
(学校)だ。ドイツではサッカーは生活そのものだ。そしてボルシア・ドルト
ムントというチームが、すでに彼がいるといないとでは全然違うものになって
しまう。それは彼が然るべきときに穴を埋めているからだ。ベンダーや他の選
手たちでは、彼のようには埋め合わせはできていない。

 彼はチームのひとつのプラスアルファだ。何か特別なことをやらねばならな
いとき――パスやシュート、決定的な得点などだが、それをするのは彼で、他
の選手にはできないことだ。今やボルシアは、香川がいなければプレーができ
ないようになってしまった。彼こそがチームのスターだ。それはとてもいいこ
とだが、同時に危険なことでもある。
 ただ、香川の場合は、普通に伸びて行くと思う。鼻が高くなったり、頭が大
きくなったりはしないだろう。彼が普通の生活・人生を送れれば、それは彼自
身のみならず日本サッカーにとってもとてもいいことだ。彼はすでに人間とし
ても素晴らしい。
 香川は今、遠藤と俊輔の後継者になろうとしている。良く走り良く戦い、ゴ
ールもあげる彼は、他の選手たちのいい手本になっている。そのうえ彼には優
れたアイディアもある。
 それらすべてを俊輔も持っていた、というか持ちうるものだった。戦闘能力
も何もかもだ。だが俊輔は走らなかったし、アグレッシブになろうともしなか
った。その点については批判すべきだ。それは個人の勇気の問題であり、メン
タルの問題であるからだ。それを持っているか否か。勇気があるのかないのか。
勇気は金で買うことはできない。

■「香川は常にコレクティブで、岡崎もそこは同じだ」

 香川は常にリスクを冒している。どんな場面においても、彼はリスクを冒そ
うとする。シュートもパスもドリブルもだ。だからこそ彼は優れたプレーがで
きる。そして常に彼の第一の関心(アイディア)はゴールを決めることだ。そ
れこそ俊輔に欠けていたもの、ゴールのセンスだ。もちろんフリーキックで得
点するのは悪くはないが、しかしフリーキックは不確実で、すべての試合でフ
リーキックの得点を期待はできない。得点には相手への仕掛けが不可欠だ。香
川も本田も然るべき場所で積極的に仕掛けるから、ゴールをあげることができ
る。だが俊輔は得点できるポジションには決して入っていかず、それでどうや
ってゴールを決められるというのだ。
 高原は、以前は多くのゴールを決めた。それは彼がそのポジションに入って
いき、危険な選手になったからだ。優れた選手になり、ドイツでも容易にプレ
ーができた。しかし、日本に戻って以降の彼は、恐らくドイツで多くの衝撃を
受けすぎたのだろう。ドイツで最前線でプレーを続けるのは相当に大変だ。そ
のことに少しづつ恐れを抱くようになり、それが彼の脚を止めてしまったのだ
ろう。フランス語でもいうだろう。「殿様でなくなってしまえば、とたんに戦
う勇気もなくす」と。

 香川は違う。彼は相手ゴール前でも積極的にドリブルで仕掛ける。そんなこ
とをするのは、日本人でも香川だけだ。彼にそれができるのは、優れた嗅覚
(神経)を持っているからだ。誰もがゴール前では神経質になる。素早くプレ
ーしないとチャンスを失うからだ。しかし彼はそこでも落ち着いている。
 素晴らしいことで、バルセロナの選手たちはゴール前でパスを右に左に回し
ながらDFブロックに入って行こうとする。そして入ってからもさらに回す。
それと同じで、アーセナルも同じことをする。優れた選手はゴール前でも、練
習と同じようにボールを回しDFブロックの狭いスペースを引き裂く。そこが
違いだ。ドルトムントにもそんなプレーができる選手が何人かいる。だから彼
にとってもずっと容易だ。というのも彼はある選手たちよりずっとたくさん走
るからだ。そのうえ機動力もある。

 では、香川と本田は代表で一緒にプレーできるのか?
 現時点では、本田よりも岡崎と香川のタンデムの方がいいだろう。ふたりが
近くでプレーするのが効果的だ。サイズも2人は似ているし、プレーの質も似
ている。本田は彼らに比べると個人主義者だ。もっぱらひとりでプレーしてい
る。香川は常にコレクティブで、岡崎もそこは同じだ。彼らはテクニックをチ
ームメイトのために発揮する。そして日本に必要であるのは、彼らのようなコ
レクティブなプレーでありプレーヤーであるからだ。

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 【4】 〈オシム家のテレヴィジョン〉
     「レアル・マドリー対レアル・ソシエダ観戦記 (後編)」
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2月6日の夕暮れ、オシム家を訪ねると、食い入るような目つきでテレヴィジ
ョンを見つめるオシムがいた。グラッパをあおりながら、ロナウドのプレーを
冷静に分析する。酒が進むにつれ、オシムの口も饒舌になっていく──。

               ★       ★       ★       ★

――本田の場合もそれに当てはまりますか?
オシム:彼は多くを望み過ぎる。得点するためには走ることも戦うことも必要
だ。彼はそのすべてを、ひとりで全部やろうとしている。CKもFKも、全部自
分で蹴りたがる。
――彼のリズムと他の選手、つまりチームのリズムが合っていない。
オシム:バルサのようなチームでプレーするのは実質的に不可能だ。レアルで
もどうか。常に動くことが求められるからだ。動かなければ、このチームでも
プレーはできない。誰もが常にスプリントしている。走ること、機動力の高さ
は最低条件だ。それが可能なフィジカルがなければ、高いレベルでプレーなど
できない。それだけのことで、バルセロナも同じだろう。
 この試合を見てもわかるだろう。試合の始まりからずっと面白いのは、どち
らのチームもよく動いているからだ。黒(ソシエダ)も白(レアル)もしっか
り走っている。リーガの素晴らしさはそこにある。プレーのすべてが相手にと
って危険だし、動きのひとつひとつ、プレーのひとつひとつが相手に対する脅
威になっている。選手もまた、相手に危険なプレーを常に仕掛けようとしてい
る。得点を狙うのもそうだし、走るにしても常に危険な方向、危険なポジショ
ンへのスプリントになっている。走りのために走りでもないし、相手の後ろを
追いかける走りでもない。
(画面を見ながら)パスもまた同じだ。リスクを伴うパスだ。常にインターセ
プトされる危険にさらされているが、それでも敢えて出さねばならないときが
ある。敢えて試みるのは、パスの出しても受け手も先を予測できるからだ。バ
ルサにしろレアルにしろ、アイディアがなければプレーはできない。単純なパ
スだけではプレーすることは不可能だ。すべてのプレーが相手に危険でなけれ
ば、ここでは通用しないからだ。ほら、見てみろ。

――ああ!たしかにそうですね(ソシエダの決定機)。素晴らしい。
オシム:彼らにしても危険なプレーしかしない。リーガではアウトサイダーだ
が、それでもレアル相手にすでに3度のチャンスを作り出している。やるべき
ことはすべてやっている。
――どちらのチームも、同じように速いリズムでプレーしています。
オシム:よく走っているし、常にスプリントしている。アナウンサーも言って
いるが、とてもいいテンポだ。観衆が魅力を感じるのもそこのところだ。少し
前にチェルシー対リバプール戦があったが、見るべきものは何もなかった。ふ
たつの試合を見比べれば違いは明らかだ。

■「わずか2mでのパス交換だが、日本ではそれすらときにボールが逸れる」

――あああ!またチャンスですね(カカ)。いやあ、これは凄い。
オシム:それこそ日本の選手がやるべきことでもある。常に走り、機動力を発
揮する。しかも相手にとって危険な方向で。
アシマ夫人:(ロナウドのゴール)素晴らしい。スーペル、スーペル!彼は何
でもできますね。本当にいつも危険です。
オシム:図抜けた高さのヘディングだ。
(興奮したアシマ夫人がオシムにボスニア語で何か話しかける)
アシマ夫人:エジルに似た選手は誰でしたっけ?
オシム:羽生だ。
アシマ夫人:そう。しばらく羽生は見ていないけど、エジルを見るたびに私た
ちの羽生を思い出します(笑)。
――たしかに。顔は良く似ています(笑)。
アシマ夫人:(リプレイを見ながら)しかしロナウドは凄いですね。
オシム:先制されて、(ソシエダも)ゴールが必要になった。
 素晴らしいテクニックだ。ボールのコントロールもパスも申し分ない。選手
間の距離がとても近く、わずか2mでのパス交換だが、日本ではそれすらとき
にボールが逸れる。ここではそんなことはあり得ない。誰もそういう基本的な
ミスはしない。
――プレッシャーのなかでも正確な技術が発揮できる。

オシム:ほら、わかるだろう。ヨーロッパではFKでの得点が日本よりも難し
い。GKはキッカーがどのコース、どんな質のボールを蹴るかをよくわかって
いるからだ。たとえばアンリはどんなキックが得意なのかを、ヨーロッパ中の
ゴールキーパーが知っている。彼(ロナウド)にはちょっと期待しすぎている。
アシマ夫人:ほんのちょっとだけズレましたね。
オシム:彼は確かに優れた選手で知性もあるが、彼は自分だけのためにプレー
している。エジルやチャビ・アロンソもいい選手であるのに……。
――それでもFKを蹴るのは彼だけですね。
オシム:(ドリブル突破を見て)エジルは凄く危険な選手だ。右足でも左足で
も、同じようにプレーができるから、ゴールキーパーは対応が難しい。位置と
コースによって蹴る足が違うからだ。DFも同じで、どちらのサイドにいるか
で狭めるコースが変わって来る。
――(ロナウドは)いつもこんな風にシュートを打っていたら、GKは予測が
簡単ですね。
オシム:彼がひとりでプレーする限り、予測はある程度できる。どこにどんな
風にシュートするかまで含めて。彼のFKは今では誰も知っているからな。ち
ょうどリヨン時代のジュニーニョがそうであったように。同じようにロナウド
も、FKは完全に知られている。本田もそうだ。彼もロナウドと同じように蹴
り、誰もがそのキックを知っている。
――(前半終了。画面のスタッツを見ながら)レアルの支配率は……。
オシム:明らかだ。

		★	★	★	★

「ちょっとチャンネルを変えよう」
 そういうとオシムは、次々とチャンネルをザッピングしはじめた。どの試合
が一番面白そうか、全部のチャンネルを見て確認しようとしているのか。それ
とも目的の試合があるのか。いずれにせよ、インテル戦まではまだ少し時間が
ある。
 酒も進み、こちらもけっこういい気分になってきた。当初考えていたテーマ、
彼の青年時代を語ってもらうというのはもうとうに諦め、試合を見ながら長友
のコメントがもらえればいい、というぐらいの気持ちになっている。
 とはいえまだ宵の口。サッカーもオシム家の夜も、まだはじまったばかりで
ある。

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 【5】 〈読者とのオシム問答〉
     「オシムが考える“エレガント”とは何か?」
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【Q】:ユーロ2012予選のグループGで、モンテネグロが首位に立っています。
サヴィチェヴィッチやミヤトヴィッチなど、以前から優れた選手を排出してき
た国ですが、現在もヴチニッチ、ヨヴェティッチなどのタレントに恵まれてい
ます。人口60万人の小国がこれだけの選手を輩出できる要因、独立してすぐ
にこれだけの結果を残せる要因はどこにあると思われますか?
(Gottardiさん)

【A】:EURO予選のモンテネグロは、勝ち点でトップのイングランドと並ん
でいる。彼らがレベルの高いプレーをしているのは、選手の質が高いからだ。
特に優れた数人の選手たちはイタリアでプレーしている。
 優れた選手を輩出し続ける理由はいろいろある。伝統や育成の環境、選手個
々の才能、またサッカーで身を立てなければという経済的な状況もある。だが、
それらにもまして大きいのは、誇りであると私は思う。彼らはモンテネグロ人
であることに強い誇りを抱いている。だからヨーロッパにおいても、常に存在
感を示し続けている。
 日本人も同じだろう。日本人であること、日本人もこれだけできるというこ
とを、常に示そうとしている。大国やビッグクラブにとって、そうしたチーム
と対戦するのは危険なことだ。例えばイタリアは、先日のEURO予選でスロベ
ニアを相手に苦戦した。モンテネグロも、最後までイングランドを苦しめるだ
ろうし、どちらが予選を突破するか最後までわからないと私は思う。


【Q】:オシムさんに質問です。フットボール、数学、人生それぞれにおける、
オシムさんの考える“エレガンス”とはなんでしょうか?
(ロベールさん)

【A】:それはプレーのやり方だ。サッカーには見るに値する素晴らしい試合
もあれば、そうでない試合もある。チームも同じで、もっぱら守備に専念して、
ボールをキープしても自分たちで回して攻めようとしない消極的なチームもあ
れば、プレーを構築して優れたサッカーを実践しようとするチームもある。サ
ッカーの美しさを表現しようとするチームだ。
 しかし傾向としては、チームもプレーも選手も、消極的な方向、プレーを殺
す方向に進化しようとしている。サッカーに金がかかり過ぎるからだ。スタジ
アムに来る観客も、自分たちのチームが負けるところは見たくない。だからチ
ームも敗北を避けようとする。
 そうは言ってもサポーターは、果敢に相手に挑みゴール前に侵入しようとす
る選手に喝采を送る。だからこそメッシは輝いているのだし、彼のプレーは美
しい。それが大きな救いだ。エレガントな選手は、まるでバレーの舞踏を見て
いるようだ。まさに芸術的で、メッシも俊輔も、そうしたサッカーの美しさを
体現している。
 別の言葉で言いかえれば、エレガンスとは、ピッチの上で問題を解決するそ
の方法だ。それも別のやり方で。いつも同じやり方ではなく、違うやり方で選
手が問題を解決する。ボールコントロールもそうだしシュートもそう。胸や足
のいろいろな部分を使ったり、動作も変える。
 誰もがアジアカップ決勝の、李のゴールを覚えているだろう。そこには動作
の美しさ、勝利の美しさがある。あの美しいゴールが日本に勝利をもたらした。
記憶に残るゴールでありシーンで、とてもエレガントでもあった。

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