社長である私も、社員を平等に扱おうなどとは考えていない。社長と会食ができるのはMVPを取ったチームやその年に最も活躍した部署など、社員の中でも限られている。優秀な社員は報酬を上げ、待遇を上げ、社長自ら目をかける。徹底して上位にいる人材を伸ばしていく仕組みなのは、それが会社の成長に不可欠だと考えるからだ。
同期の中で賃金に大きな格差がつき、待遇が大きく変わるとなれば、当然、そこに嫉妬が生まれてくる。嫉妬をバネにして頑張る人もいれば、「やってられない」と言って辞めてしまう人もいるかもしれない。しかし、大きな格差がつくことが日常の風景になってしまえば、実はそれほど問題は生じない。慣れてしまえば「こんなものかな」と思え、逆に「自分にもチャンスが訪れるかもしれない」と、前向きに捉えられるようになるものである。
デキる社員は「目つき、姿勢」が違う
成果主義を貫くうえで最も重要なのは、下が上げてくる面白い事業アイデアを、上がきちんと評価できるかどうかである。成果主義は部下のアイデアの質を的確に判断できる上司とセットになっていなければ、たちまち行き詰まってしまう。成果が正当に評価されない成果主義など成り立つわけがない。
弊社の場合、事業アイデアの評価は、基本的に私がひとりでやっている。最近は役員クラスの中にもきちんと評価を下せる人間が出てきたが、アイデアの評価は数値で判断できるものではないから難しい。そのアイデアが底の浅い思いつきレベルのものなのか、それとも一本芯の通った、大きな可能性を秘めたものなのかを判断する力は、一朝一夕には身につかないのである。
私がアイデアを評価するときの基準にしているのは、プレゼンテーションをする社員の目つきと姿勢である。
自分のアイデアを本気でいいと思っている社員は、まず、目つきが違う。