今回は、配線材やハンダ等についてです。
おもな配線には、アルファ・ワイヤー社の配線材(22AWG)を使用。この配線材はブライアン・メイ・スーパーのピックアップや、グレッグ・フライヤー氏のハンドメイドのトレブルブースターやアンプ等の内部配線にも使用されています。被膜は熱に強く、線材はハンダのノリが良い、とても扱いやすい配線材です。国内で扱っているところがなかったので、シンガポールの商社から取り寄せたり、フライヤーさんから譲って貰って手に入れました。国内では手に入りにくい事と、とても高価なのが玉に瑕でしょうか。
スイッチの端子と端子を結ぶ配線材には、1960年代後半にアメリカで製造されたビンテージ・ワイヤー「GAVITT」の錫メッキ単線(22AWG)を使用。細かな箇所に使用するため、被膜を全て外して使用します。この配線材はとても古いので、中の線材が少しくすんでいます。そこで、配線時にCAIG社のDeoxIT D5(接点洗浄・復活剤)やDeoxIT G5(接点コンディショナー・保護剤)を使用してくすみを取り除きます。これらの接点洗浄剤はスイッチの端子やポットなどにも使用しています。
DeoxIT D5は酸化汚染物質を除去、酸化防止効果があり、使用後にDeoxIT G5を併用することにより、最高の保護効果を確保します。DeoxIT G5は金属の表面を保護し、伝導性を高めかつ持続させます。接点、その他の金属表面の信号伝導性を向上させ、接触不良を減少します。(東志株式会社の商品説明を引用)
当工房では、白光の「HAKKO 936」という温調式ハンダゴテを使って配線しています。温度設定ダイヤルによってコテ先の温度を完璧にコントロール出来るので、理想的なハンダ付けが可能です。
ハンダには、日本アルミット社製の非塩素系高性能ヤニ入りハンダ「KR-19RMA」を使用。アメリカの軍需規格MILのRMAを取得し、NASAのスペースシャトルにも使用されています。活性剤としての塩素化合物を含んでいないので、経年変化が起こりにくいハンダです。非常に良く付き、不良がほとんど発生しないという、素晴らしいハンダです。
エレクトリック・ギターは電気楽器です。電気パーツ、配線材やハンダを仇や疎かにはできません。