東京証券取引所の斉藤惇社長は、31日、記者会見で、オリンパスの損失隠しなどによって損なわれた市場の信頼回復を図るため、社外取締役による企業経営の監視機能を強化することを正式に明らかにしました。
この中で、斉藤社長は「オリンパスの巨額の損失隠しや、大王製紙の前の会長による特別背任事件によって、上場企業の内部管理に対する投資家の見方は、日増しに厳しくなっている。東証としても悠長に構えてはいられない」と述べました。そのうえで、斉藤社長は、市場の信頼回復を図るため、多くの企業が取り入れている社外取締役が、独立した立場で企業経営を監視する機能を強化することを明らかにしました。具体的には、不正が見つかった場合などに、株主の利益を守るため経営陣に対して意見を述べるなど、社外取締役が取るべきより具体的な対応策を上場企業に示すことにしています。また、研究費や開発費など資金の提供を受けている特定の企業や団体から、社外取締役が派遣されている場合は、東証や投資家に対して詳しく開示するよう求めるとしています。東証では、具体化に必要な上場規則の見直しなどを行い、来年度・平成24年度からの実施を目指したいとしています。