承前。第2部第3部の番宣で強調されたのは「新たに発見された新事実」である。脅迫テープの音声を解析した結果、犯人グループの中の家族らしき人物は30~40代の女1人と男の子が1人だと予測されていたが、音声研究家の鈴木松美氏の最新の分析で、女は10代後半の少女と男の子は2人、合計3人いたのではないか。情報が洩れてこない所を見ると結束の固い家族であるに違いないという。指紋にも相当する音声分析の進歩は目を見張るものがあるのだ。
目ぼしい「新事実」はこれだけだが、筆者が不思議でならないのは100通を超える脅迫状に関する疑問である。タイプライターの機種は特定されていたし、滋賀県で取り逃がした盗難不審車内に残されていた証拠品の数々も、大量生産大量販売品ばかりで特定に至らずとされている。しかし、脅迫状の個性的な文体や用語についてはあまり突き詰めて分析されていないように見える。「文は人なり」の表現を待つまでもなく、これら脅迫状に関するプロファイリングはなされなかったのか、スタッフは疑問を持っていなかったのか。
当時の記者たちはスクープ合戦に舞い上がっていたとしても、今回のスタッフは改めて心理分析官らに解析を依頼するべきだ。文章を書いた人物の性格や年齢、成育歴や居住地域まで今は絞り込むことが出来る時代になっている。日本の警察が犯罪のプロファイリングに遅れているばかりでなくメディアも意識が時代遅れである。
(黄蘭)
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