山下俊一氏の単独インタビューが2011年12月11日付の公明新聞に掲載されていて驚いた。記事のタイトルが「福島の県民健康管理調査 問診票の回収率上がらず」だったのでさらにびっくりだ。これで山下俊一氏と公明党・創価学会との蜜月は終わったのかと思った。「今さら思い出せねえよ」「書く項目が多いしね」「健康調査? そんなの知らないな」などという住民の非協力的な声も拾い上げた。記者は良心的な人だと思った。
山下俊一氏と公明党の関係は、長崎大学医学部を経て、長崎大学大学院医学研究科を卒業したという秋野公造衆院議員との関係から始まっている。秋野氏は、長崎大学医学部で講師に就任。2006年には厚生労働省に出向し、健康局疾病対策課課長補佐、医薬食品局血液対策課課長補佐、東京空港検疫所支所長を歴任したという。2008年からは長崎大学客員教授でもあったという。2010年7月11日に行われた第22回参議院議員通常選挙に公明党公認で比例代表区から出馬し初当選。2010年3月に創価学会との関係の強い潮出版社から『健康ニッポンを造る』を発刊。序文を山下俊一氏が書いた。当選に際して、山下氏は、公明新聞に祝辞を寄せた。
秋野くん初当選、おめでとう! これからが本当の戦いです。生活者の視点を持つ秋野くんなら、自分の目で耳で弱い立場の人の意見をきちんと吸い上げ、国政に反映してくれると確信しています。
生活現場の課題は刻々と変わります。議員となって入る情報や判断材料に惑わされることなく、自らの理念・信念を貫き、何が「正義」なのかを見極めてほしい。そのためにも洞察力を養い、明確な目標を持って国民のために頑張ってください。
そんなこともあり、公明党は、意見交換や講演会への招聘等、山下俊一氏との関係を持ち続けた。
2011年3月30日、公明党の秋野公造参院議員は福島県立医科大学(福島市)を訪れ、山下俊一・長崎大学大学院教授、福島県立医科大学大学の菊地臣一理事長と懇談した。
2011年5月24日、公明党福島県本部郡山総支部と同総支部の女性党員や市民でつくる「子どもの成長を育む会」(遠藤いつ子会長)が、福島県郡山市内で、山下俊一長崎大学大学院教授を講師とするセミナーを開催した。山下氏は「福島第1 原発の事故は世界が注目している。パニックを起こさないためにも正しい知識と情報を伝え、皆が正しく理解することが大切だ」と訴え、「子どもの方が放射線の影響を強く受けるということは、正確には分からない」と答えた。
創価学会系の雑誌「潮」2011年6月号に山下俊一氏が放射能問題で寄稿。
2011年6月21日、公明党の放射線による健康への影響に関するプロジェクトチーム(PT、座長=加藤修一参院議員)は 参院議員会館で、山下俊一・長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長と意見交換。山下氏は、「(大気など)環境中には(放射性物質は)ほぼない」と強調する。山口那津男代表は、「(放射性物質に関する)正しい認識の下、被災者支援に全力を尽くす」とあいさつ。加藤座長は、長期化が見込まれる健康調査について、後押ししていく考えを表明。
2011年8月6日、福岡市内で開催された党福岡県本部(木庭健太郎代表=参院議員)の夏季議員研修会に福島県立医科大学の山下俊一副学長を講師に招き、「福島原発事故の健康影響について」と題した講演を聞いた。公明党の山口那津男代表が駆けつけ、あいさつした。
2011年8月27日夜、鹿児島市内で行われた公明党鹿児島県本部(成尾信春代表=県議)主催の党員セミナーで、福島県立医科大の山下俊一副学長が、放射線が健康に与える影響について講演。公明党の秋野公造参院議員が福島県民の継続的な健康調査のための予算確保に取り組む姿勢を強調。伊藤鹿児島県知事が来賓として出席し、あいさつした。
「公明グラフ2011秋季号」に山下俊一氏が、「放射線の基礎知識 Q&A」を寄稿。
2011年9月15日、公明党のがん対策推進本部(本部長=松あきら副代表)と放射線による健康への影響に関するプロジェクトチーム(加藤修一座長=参院議員)は、参院議員会館で合同会議を開き、福島県立医科大学の山下俊一副学長らと懇談、山口那津男公明党代表、福島県立医大の菊地臣一理事長、竹之下誠一副理事長も出席した。
2011年10月14日、公明党の秋野公造参院議員とじんの源次郎福島県本部代表(県議)は、福島県庁で福島県立医科大学の山下俊一副学長、藤島初男事務局長、内堀雅雄副知事と会い、福島県民健康調査事業の実施に関する要望を受け、秋野氏は「公明党として健康調査を長期的に保証する法律の制定を図るとともに、調査を実施する拠点の整備にも全力を尽くす」と約束した。
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