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ロシア シリア情勢でけん制か

1月31日 6時28分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

反政府デモへの弾圧が続くシリア情勢を巡って、ロシアは、アサド政権と反政府側の双方に対話を呼びかけ、仲介に意欲を示すことで、アサド大統領に辞任を求める決議案を国連安全保障理事会に示した欧米諸国をけん制するねらいがあるとみられます。

シリア情勢を巡っては、欧米諸国などがアサド大統領に辞任を求めるとした決議案を国連安保理に示し、今週中の採択を目指しています。こうしたなか、ロシア外務省は30日、声明を発表し、アサド政権と反政府側の双方に対し、モスクワで対話を行うよう呼びかけていることを明らかにしました。声明の中でロシアは、アサド政権側からはすでに前向きな返事が得られ、「反政府側からも近く同意が得られることを期待している」としています。しかし、反政府側の幹部は、NHKの取材に対し、「アサド大統領が退陣しないかぎり、政権とは対話しない」と言明しており、対話の実現性は不透明です。ロシアは、シリアを武器の有力な輸出先としているほか、ロシア海軍がシリアの港を補給基地として使用しており、アサド政権と強い結びつきを維持しています。ロシアとしては、双方の対話の仲介に意欲を示すことで、国連安保理決議案の早期採択を目指す欧米諸国をけん制するねらいがあるものとみられます。