大阪維新の会が府議会に提案している「教育基本条例案」に反対するシンポジウムが28日、守口市の守口文化センターで開かれた。出席者は「条例の大半が教師の管理と処分の内容で占められている。そんな発想で学力は上がらない」などと批判した。
シンポの呼びかけ人の東京大の佐藤学教授のほか、精神科医の野田正彰さんや香山リカさんらが出席した。
佐藤さんは「現場で身を粉にしている教師をつぶしたくない。この条例を許したら、違いを認め合う大阪の教育のよさを守れなくなる」と憤った。野田さんは「大阪は全国から弱い立場の人々を受け入れてきた。競争をあおっても、社会に鬱積した不満や劣等感がたまるだけ」と批判した。
また香山さんは「条例は魅力的に語られているが、中身はまったく異なる」と指摘。そのうえで「批判するだけでなく、不安や不満を抱える若い世代に、維新とは異なる未来を提示することも考えるべきだ」と訴えた。【田中博子】
毎日新聞 2012年1月29日 地方版