大阪維新の会の教育基本条例案に反対する教育学者らが28日、大阪府守口市内でシンポジウム「子どもたちの未来と大阪の教育」を開き、約800人が参加した。
呼びかけ人で、大阪の学校視察を続けてきた佐藤学・東大教授(教育学)は「大阪の教師は大変な環境で奮闘してきた。条例案は教師、子どもへの不信に貫かれているが、教育を良くできるのは信頼。これを壊す条例を許してはいけない」と廃案を呼びかけた。精神科医の香山リカさんは「診察の経験では、どんな教育がどう後になって人を支えるのか、トラウマになるのかはわからない。条例案が教育を、すぐに結果が出て誰にもわかる尺度で判定できるものとして扱っていることに驚いた」と批判した。
会場ではシンポ賛同者の映画監督山田洋次さんからの「学校現場が自由で伸びやかな空気で満たされてこそ子どもたちは幸せになれる」というメッセージも読み上げられた。(金成隆一)