長引く不況の影響などで、昨年度、学費や生活費の支払いのため奨学金を受け取った大学生は50.7%と、2人に1人に上っていることが分かりました。
この調査は、「日本学生支援機構」が2年に一度行っているもので、昨年度は、全国の学生のうち8万2000人余りを対象に調査を行い、このうち半数近くの3万7000人余りから回答を得ました。それによりますと、学生が1年間に使った費用は、学費が117万円、食費や家賃などの生活費が66万円の合わせて183万円でした。年間の費用がこれまで最も高かった平成12年度と比べると、学費は5万円近く値上がりしていますが、生活費は逆に28万円近く減っていました。一方、家計が厳しくなるなか、昨年度、奨学金を受け取った学生の割合は50.7%で、平成20年度の調査と比べると7.4ポイント高く、2人に1人に上っていました。長引く不況の影響で、奨学金を受け取る学生は増えていますが、卒業したあとに返済ができずに滞納する人や、受け取りをためらう学生の増加も問題となっています。文部科学省は、来年度から、一定の収入が得られるようになるまで返済を猶予するなど、学生が奨学金を利用しやすい新たな制度の導入を目指すことにしています。