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2012年1月30日23時20分

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「職員会議での挙手の禁止」は適法 元都立高校長が敗訴

写真:記者会見で、生徒からの寄せ書きを手に「不当判決だ」と訴える都立三鷹高校元校長の土肥信雄さん(左)=30日午後3時3分、東京都千代田区の司法記者クラブ、西畑志朗撮影拡大記者会見で、生徒からの寄せ書きを手に「不当判決だ」と訴える都立三鷹高校元校長の土肥信雄さん(左)=30日午後3時3分、東京都千代田区の司法記者クラブ、西畑志朗撮影

 職員会議での挙手や採決を禁じた東京都教育委員会の通知は教育への「不当な支配」にあたるなどと主張して、都立三鷹高校元校長の土肥信雄さん(63)が都に約1850万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。古久保正人裁判長は「通知が相当かどうか議論のあるところだが、職員会議を主宰する校長の裁量権を侵害したとは言えない」として土肥さんの請求を棄却した。

 都教委は2006年4月、学校の運営方針を職員会議で決めるのは不適切だとの理由から、都立の学校長に対して挙手や採決で職員の意向を確認することを禁じる通知を出した。土肥さんは校長会やメディアで「民主主義的な議論を奪う」などと繰り返し主張。09年3月の退職前に非常勤教員の採用に応募したところ不合格とされ、「意見表明への報復だ」として訴訟を起こした。

 判決は、都教委の通知について「挙手によって校長の決定権が拘束されていた一部の都立高の状況を改善し、校長が権限を十分に行使できる環境を整えるためのもので、必要性があった」と指摘。「教育への不当な支配にもあたらない」と述べ、通知の違法性を否定した。さらに、「通知はそもそも個人の権利を対象としたものではない」として、国家賠償請求の対象にならないとも述べた。

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