「原発とメディア」をテーマにした公開シンポジウムが29日、鹿児島市郡元の鹿児島大であった。鹿大法文学部とマスメディア13社が共同で開いている「マスコミ講座」の一環。学生や市民ら約150人が耳を傾けた。
TBSテレビ「報道特集」キャスターの金平茂紀氏が講演で、原子力発電の“安全神話”を支えた「原子力ムラのペンタゴン(五角形)」について指摘。「政治、官僚、業界、学会、報道がもたれあい、癒着し、反対意見を封殺していく構造があった」と述べた。「御用学者を番組に呼んだのは僕ら自身。御用記者が原発推進の旗を振った」と反省を込めて語った。
パネルディスカッションでは、大野友也・鹿大准教授をコーディネーターに、福島第1原発事故のため千葉から県内に移住した矢田部史崇氏▽KTS報道局長兼報道部長の山口修平氏▽毎日新聞鹿児島支局長の馬原浩氏--がパネリストを務めた。山口氏は「専門家をテレビに呼んだのは、テレビ側に専門知識がなかったから。今後は原発の専門記者を育成したい」などと語った。【山崎太郎】
毎日新聞 2012年1月30日 地方版