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神奈川県 がれきに理解求める

1月30日 22時9分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東日本大震災で出たがれきの受け入れを表明している神奈川県は、30日夜、県庁で住民説明会を開き、黒岩知事が重ねて理解を求めましたが、参加者からは反対の意見が相次ぎました。

神奈川県は、被災地で出たがれきを横浜市などの施設で焼却し、焼却灰を横須賀市にある県の産業廃棄物の最終処分場に埋め立てる方向で調整を進めています。県は、30日午後6時半から3回目となる住民説明会を横浜市中区の県庁で開き、横浜市や横須賀市などから200人以上の人が参加しました。この中で黒岩知事は「被災地から聞こえてくるのは、膨大ながれきの処理を手伝ってほしいという声だ。しかし、処分場の地元の理解を得るのが前提だ」などとして理解を求めました。これに続いて岩手県の担当者も「目標としている3年以内のがれきの処理はすでに赤信号の状態だ」と訴えました。参加者からは「がれきを運搬する途中で放射性物質が含まれるおそれがあり、不安だ」とか「子どもが被ばくする可能性があり、認められない」などと反対の意見が相次ぎました。県はことし3月末までには受け入れを始めるための環境を整えたいとしていますが、受け入れにあたっては県が処分場のある地元の自治会と結んだ「埋め立ては県内の産業廃棄物に限る」とした協定を改定する必要があり、県は、今後、地元との交渉を中心に調整を急ぐことにしています。説明会に参加した横須賀市に住む舟山剛さんは「黒岩知事は同じような回答ばかりで納得できないし、何か問題があったときにどう責任を取るのか説明がなく、県民のことを考えてくれていないと感じた。知事には何度も地元に足を運んでもらい、納得のいく説明をしてもらいたいし、がれき処理以外に被災地を支援する方法がないか考えていくべきだと思う」と話していました。黒岩知事は、説明会の終了後、記者団に対し、「私としては誠心誠意伝えたつもりだが厳しい状況は依然変わってない。このまま説明会を繰り返しても前に進めないので、今後は県の職員と共に、地元の人たちと膝をつき合わせて丁寧な説明を一人一人に行って、理解を得たいと思う」と話しました。