NHKニューストップへ
※ すべての機能を利用するには、JavaScriptを有効にしてください。

保安院 内部告発を4年半放置

1月30日 21時19分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

原子力に関する内部告発を受け付ける国の原子力安全・保安院が、愛媛県にある伊方原発で起きたケーブルが焼けたトラブルについて四国電力が火災として国に報告しなかったなどとする告発を、4年半にわたり放置していたことが分かりました。

原子力安全・保安院によりますと、平成4年、当時建設中だった四国電力の伊方原発3号機で消火用ポンプのケーブルが焼けたトラブルについて、四国電力が火災として国への報告を怠ったとする内部告発を平成18年11月に受けたということです。この告発を外部の専門家でつくる審査委員会が調査した結果、「ケーブルは溶けた程度で、法律上も国への報告義務はなかった」としていました。その後、告発者が4年半の間に数十回にわたって再調査するよう電話などで依頼していましたが、保安院は審査委員会に報告せずに放置していました。しかし、保安院が去年8月になって審査委員会に再調査を依頼した結果、審査委員会は、現場にいた企業関係者の記録などから消火器を使っていて消防に通報する必要があったと結論づけました。再調査の依頼を放置していたことについて保安院は「一度出た結論に影響を与える新たな事実がなかったので、報告しなかった」としています。保安院の森山善範原子力災害対策監は「告発内容を受理すべきかどうかは審査委員会が決めるべきで、反省しなければならない」と話しています。