強毒性鳥インフルエンザH5N1の論文に対して米政府のバイオセキュリティーに関する委員会が生物テロへの懸念から内容の一部削除を掲載前に求めた問題で、論文の著者らが20日、「今後の研究のあり方について議論する時間が必要だ」として、H5N1に関する研究を60日間自主的に停止するとの声明文を発表した。
オランダ・エラスムス医療センターのフーシェ教授と東京大医科学研究所の河岡義裕教授ら39人が連名で、問題の論文の投稿先となった米科学誌サイエンスと英科学誌ネイチャーに同時に発表した。研究の一時停止について米国立保健研究所(NIH)でも、コリンズ所長らが「NIHや米疾病対策センター(CDC)など米政府機関が実施する研究も同調することになる」との声明を発表した。