東日本大震災の翌月に福島市を慰問するなど演奏活動で被災地を支援してきたロシア人女性の音楽家トリオが9月、立川市で公演する。「日本の復興を祈って奏でたい」という。 ピアノのエレーナ・クリシュワさん、メゾソプラノのワレンチナ・パンチェンコさん、ビオラのナタリヤ・ドラティエワさんの女性トリオ「カチューシャ」。ロシア民謡からクラシック、日本歌曲まで奏でる。 大震災の日、クリシュワさんらも都内で地震に遭った。その後、関東で予定された公演は計画停電などの影響で中止に。ロシアにいる家族からすぐに帰国しろと強く言われたという。チェルノブイリ事故を経験したロシアでは、政府の説明は信用できないという考えが強いためだという。 だが、クリシュワさんらは「私たちは日本を信じる。被災者のためにできることをしたい」とマネジャーに慰問公演を要請。4月17日、車で4時間半かけて福島市へ。避難所となった総合体育館で2回公演し被災者を慰めた。5月には小平市で慈善公演を行い、収益を全額、被災地支援に寄付した。 「小平で演奏中、眼鏡を外して涙をぬぐう観客の女性の姿に、私も涙が出そうになった。今後もできることがあればやりたい」とクリシュワさん。 カチューシャの立川公演は9月24日、市民会館(アミューたちかわ)大ホールで。ボリショイ交響楽団の男性オーボエ奏者を加えた4人構成で演奏する。チケットは全席指定で3千円。 ◇ カチューシャの立川公演を主催するオリンパスアーツは本紙の読者5組10人を同公演に招待する。応募ははがきで、郵便番号と住所、氏名、年齢、電話番号を明記し、〒229-1137 神奈川県相模原市二本松3の14の3 オリンパスアーツ カチューシャ産経係へ。7月31日必着。問い合わせは同社((電)042・852・3111)。
[記事全文] 【産業経済新聞】
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