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「愛した楽器で音楽を」シベリア抑留のアマチュア音楽家遺族、宮谷小にアコーディオン寄贈/横浜

2011年2月21日

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岩田さんが長年愛用したアコーディオンを演奏する熊坂さん(右)=横浜市西区の市立宮谷小

岩田さんが長年愛用したアコーディオンを演奏する熊坂さん(右)=横浜市西区の市立宮谷小

 シベリア抑留中に楽団を結成していたアマチュア音楽家のアコーディオン2台が、横浜市立宮谷小学校(同市西区宮ケ谷)に贈られた。遺族は「本人が愛した楽器に触れ、音楽を好きになってほしい」と願う。21日に同校で演奏会が開かれ、子どもたちは優しい音色に聞き入った。

 贈られたのは、2007年に82歳で亡くなった岩田稔さん=同市金沢区=のアコーディオン。半世紀前に製造されたものという。

 岩田さんは、小学生のときに学校でアコーディオンを始め、腕を磨いてきた。だが、19歳だった1943年に応召。旧満州(中国東北部)に派遣され、戦後も49年までシベリアに抑留されていた。収容所生活の中で、仲間とともに楽団を結成。腕前はソ連兵も認め、演奏のため労役を免除されることもあったという。

 「亡くなった人の遺体をそのまま土に埋めたこともあったと聞いた。音楽を支えに辛い体験を乗り切ったのだと思う」。岩田さんの長女、前田和美さん(51)は、抑留体験について多くは語らなかった父の思いを推し量る。

 愛用のアコーディオンの寄贈を考えたのは、岩田さんの他界後。和美さんは「音楽に救われ、平和を愛した父。その遺志を受け継いでほしかった」と話す。義弟にあたる山内洋正さん(69)が宮谷小学校学区の自治会長を務めている縁で、同校に贈ることになった。

 21日は、伊勢原市のアコーディオン奏者熊坂栄弥さん(33)が招かれ、アニメのテーマ曲や同校の校歌を演奏。子どもたちは軽やかなメロディーに合わせて元気いっぱいに歌声を響かせた。

 アコーディオンの音に乗った児童の歌声を聴き、「父も本当に喜んでいると思う」と和美さん。同校の中川智子校長は「今後も演奏会を開くなどして大切にしていきたい」と話した。

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