ロシアでは下院選挙の結果をめぐる討論が続いている。野党らは宣言したとおり投票結果の無効をめぐる訴えを次々と起こしている。モスクワ市裁判所に訴えを起こした共産党代表は、実際にこの目である投票区での選挙違反を目撃したと語っている。公式的な投票結果はすでに明らかにされている。ドミトリー・ペスコフ・ロシア大統領公式報道官は、裁判で争われても下院の政治勢力分布を大きく変えることにはつながらないと断言する。
インターネット上では喧々諤々の討論が行われているものの、実際に届いている苦情数はそう多くはない。監視員が、投票のねつ造の疑惑があるとしたのは、全体の投票数のおよそ0.5%にあたる。ペスコフ報道官は仮に裁判でこの件の投票ねつ造が実際にあったと認められても、「全体の投票結果には全く影響を及ぼさない」と述べる。
「政策」基金のヴャチェスラフ・ニコノフ会長もこの意見に賛同し、次のように語る。
「実際に選管の行動に対する苦情の数は選管委員会の数の1%以下にしか満たない。しかも、本当に違反があったかどうかの最終判断は裁判所で行われるものだ。そして選挙が有効か無効かを判断できるのは最高裁判所でしかない。いまのところ野党らが苦情を申し立てているのは総計で、全体の投票数の0.1%だと聞いている。」
公式的な投票結果では「統一ロシア」が49.3%、共産党が19.2%、「公正ロシア」が13.25%、ロシア自由民主党が12%を獲得した。インターネット上には、投票日当日にすでに、すり替え投票の場面を映したと称する動画が数十本上げられていた。ロシア中央選挙管理委員会のチュロフ委員長は、動画のうち数本は明らかに捏造されたものだという声明を表している。インターネットに掲載されたこうした動画については、メドヴェージェフ大統領の指示ですべてのケースの調査が命じられている。注目すべきことは、野党らが投票結果の無効を訴えようとしているのは、選挙結果が全く振るわなかった地域に厳正されている事実だ。
政治情報センターのアレクセイ・ムーヒン所長は、情勢に対する政権の反応は過不足のないものだとして次のように語る。
「違反を認め、それを正すメカニズムを構築することに、国がどれだけ市民社会に歩み寄る気構えがあるかというのは、非常に重要なことだ。全体から判断すると、最高権力は歩み寄りを行う準備がある。このことからいくつかの投票区については投票結果の見直しが行われる可能性も十分にある。」
13日、選挙に参加した野党の党首らは、メドヴェージェフ大統領と会談の席を設け、直接的に自身の意見を述べる。このため専門家らは、大統領が今回の在野勢力の抗議行動および下院選挙への自身の対応について直接、公式的な形で自身の意見を述べることに注目している。
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