選挙の監視に当たった専門家達は、そうした評価を下した。彼らは「違反なしにはすまなかったが、それらは主に技術的性格のもので、投票結果には影響を与えなかった」と指摘している。
極東・沿海地方の中心都市ウラジオストクでは、投票所として割り当てられた場所に十分な広さがなく、投票箱に投票用紙を入れる際、有権者が、どこの政党に入れたのか分かってしまったという問題があった。 また西シベリア・オムスクのある投票所では、本来は前日3日にはずさなくてはならなかった政党のポスターがかけられたままになっていた。 こうしたすべてのクレームは、国際選挙監視団が記録し、それらはロシア中央選挙管理委員会に送られた。
このような違反行為が選挙結果に影響を与えるような深刻なものでなかった事は、専門家達も認めている。 ラトビアの民間組織「政治イニシアチブ」のセルゲイ・ブラゴヴェシチェンスキイ議長は「国際モニタリング組織の代表達は、責任を持って自分達の責務を果たした」と指摘し、次のように述べている―
「私は、監視員としてヤロスラヴリ及び同州にいました。注意したのは、有権者が自主的に投票できるかどうか、圧力なしに自らの選択を行い市民としての義務を果たす事ができているかという点でした。 選挙は十分に民主的だったと思います。 選挙前日我々は、各党の選挙本部を回り代表者と話をし、何らかの違反があったり不満を持った場合、彼らが我々と連絡が取れるように調整役を残しました。しかし一件も違反はありませんでしたし、誰も電話してきませんでした。」
欧州安保協力機構(OSCE)民主制度・人権事務所と一部の専門家は、いくつかの政党の登録が斥けられたことで選挙戦のフィールドが狭められたとして選挙に向けた準備にクレームをつけたが、肯定的な面も指摘している。 対等な条件のもと、すべての政党の候補者がTV討論できた点だ。 一方投票プロセスに関しては、何のクレームもつけてはいない。
民主制度・人権事務所のハイディ・タリヤヴィニ・スポークスマンは、選挙が高いレベルで組織されていた事を評価している―
「まず第一に指摘したい事は、選挙がよく準備されていた点で、あらゆる組織面がしっかり考慮に入れられていました。 これはロシアという国の巨大さを考えるなら、決して容易でない課題です。 そのプロセスに国家、様々な機関、有権者自身が引き入れられました。 選挙に関して言えば、一日で判断し、最終的な結論を出す事はできません。」
OSCE民主制度・人権事務所は、6週間後に今回の選挙に関する完全な報告書を出す予定だ。 とはいえ現在、複数の外国の監視員達は、投票過程では、大きな違反はなかったと述べている。
ドイツ科学・政治基金国際政治・安全保障研究所のエバーハード・シナイダー教授は「今回のようなモニタリングが行われている中で、結果を捏造する事は不可能だ」と見ている―
「私はしばしば、選挙監視員を務めてきました。それがどのように行われるのかよく知っています。選挙日に結果を捏造するのは困難です。なぜなら、票が数えられている時はあらゆる監視員が周りに立っているからです。 彼らは、用紙のコピーを受け取っています。様々な投票所を監視しているとしても、そのすべてを自分達で数える事ができるのです。」
中央選挙管理委員会の中間集計によれば、「統一ロシア」の得票率は、ほぼ50%で下院450議席のうち、過半数の238議席が割り当てられると見られている。第二位はロシア連邦共産党で20%弱、議席は92、続いては得票率13%強の「公正ロシア」で議席は64、そしてロシア自由民主党の獲得議席は56となる見込みだ。 選挙に加わった残りの3党「ヤブラコ」「ロシアの愛国者」「右派事業」は議席を得るために必要な得票率のハードルを越える事ができなかった。
なお選挙の最終結果は、12月19日までにまとめられる。そして今年末までに、ロシア議会下院・国家会議の新しいすべての議員達が明らかになる。
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