んん?何を言っているの?? と思っておられる方が多いはず。
皆さんが空を見上げると、よく『カァー、カァー』と鳴いている黒い鳥のカラス。水の中の生き物であればまだしも、陸の上の生物はいまいちよくわからないので、少し調べてみると、これらはスズメ目カラス科に分類されるようで、○○ガラスと名前が付いています。日本にも数種類いるようで、ハシブトガラス(学名:Corvus macrorhynchos)、ハシボソガラス(Corvus corone)、ワタリガラス(Corvus corax)、ミヤマガラス(Corvus frugilegus)などが主に見られるようです。そう「カラス」とだけ和名がつく鳥はいないのです。
ではカラスという名前の生き物はいないのでしょうか・・・?それがいるのです。しかもフグの仲間にっ!
『カラス』というフグは、フグ目フグ科トラフグ属に分類され、トラフグとよく似ているのですが、背面は真っ黒で、臀鰭が黒いのが特徴とされています。カラスという名前は、鳥のカラスのようにまっ黒いということからついたようです。最近では、トラフグとの交雑によってできたトラフグとカラスの体色のどちらの特徴も持った交雑個体がたまに見られるくらいで、ほとんど獲れなくなってきたようですが、現在しものせき水族館の予備水槽で飼育中です。
魚の名前を調べてみると、カラス以外にも、『オジサン』、『シャチブリ』、『キタマクラ』、『コンペイトウ』『リュウグウノツカイ』など、かわった名前の魚がたくさん出てきます。なかには『ウケグチノホソミオナガノオキナハギ』(インド洋に生息するカワハギの一種)といった長い名前をもった魚も知られています。多くの生き物の名前が、その容姿から付けられていることが多いようです。今度海響館に来られるときには、名前と姿を見比べながら水槽を眺めるのも面白いかもしれませんよ。
ある日、他のスタッフから、
「屋外の水槽にカラスがいるから、一応確認してきて。」と声をかけられました。
それを聞いた私は、
『???・・・カラスは屋内の予備水槽にいるはずだけど?・・・』
『新しく搬入したのかな?・・・でもそんな報告聞いてないし・・・ん~?(?-?)』
数分やりとりをしたあと、屋外の水槽に来ていたのが鳥のカラスだと気付きました。
もう頭の中は魚のことでいっぱいです。。。。>゜))))彡
展示部魚類展示課 園山貴之