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【解答乱麻】日本財団広報グループ長・菅原悟志 教師は研鑽を 親は余裕を
昨年9月、埼玉県の小学校の女性教師が、度重なるクレームで不眠症に陥ったなどとして担任する児童の両親を相手取り訴えを起こしたことを覚えているだろうか。異例のケースだが、訴訟に至るまで相当な覚悟が必要で、精神的にかなり追いつめられていたことは明らかである。
また家庭では、子供の前で平気で教師を批判する親がいる。その姿を見ている子供は教師を見下し、反抗的な態度をとり、そのため授業が滞ってしまい時間が無駄になる。エスカレートすれば学級崩壊にもつながる。親の言動が教える側と教わる側の信頼関係を壊してしまう。親は教わることの大切さを理解させ、きちんとした教師観を子供に伝えるべきである。
不要な要求などが、本来子供に費やす貴重な時間を奪うだけでなく、教師に過剰な疲労やストレスを与える。それが原因で精神状態に支障をきたし、辞めてしまう新人教師が増えていることも事実だ。このことは子供たちへの教育に大きな影響を及ぼすだけでなく、若者が教師という職業を敬遠してしまう。
夢を抱けず、魅力がない職業には優秀な人材はこない。被害を受けるのは大切な子供たちであることを親たちはあらためて認識すべきではないだろうか。
学校に子供を預けている以上、もう少し教師を信用して任せるような余裕が必要だ。新人のような若い教師ならば保護者たちが大きな心で育てる気持ちも大切である。
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