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【解答乱麻】日本財団広報グループ長・菅原悟志 教師は研鑽を 親は余裕を
教員の飲む、打つ、買う-。こんな言葉を知人の教師から聞いた。飲むは精神安定剤を飲む、打つは鬱病のうつ、買うは宝くじを買う(当たったらすぐに辞める)、という意味らしい。教育現場の疲弊は想像以上だ。
文部科学省の調査によると全国の公立学校に勤務する新人教師のうち、1年以内に病気を理由に依願退職した人数が平成22年度は101人にのぼり、10年前の20倍に増加、このうちの9割が精神疾患を理由にしているという。
近年、学校や教師に対する社会の風当たりは強い。力量不足や熱意が感じられない教師が辞めることは仕方がないが、情熱を持ち、子供たちのために親身になって指導しようとする高い志のある新人教師が短期間のうちに心の病で辞めてしまうことは大きな問題である。
少子化により子供への対策はいろいろとなされてきたが、教える立場の教師のことは置き去りにされてきたように感じる。以前に比べ、学校を取り巻く環境は大きく変化している。かつては子供だけと向き合っていればよかったが、現在は保護者への対応に多くの時間が割かれ、心身ともに疲労困憊(こんぱい)する教師が多い。
なかには、気に入らないことがあるとすぐに学校へ乗り込む、半ば脅迫めいた言動や不当なクレームをつける保護者もいる。その対応に教師は膨大な時間を奪われる。
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