原因不明のイライラや不安は白砂糖の摂り過ぎのせいかも!? うつ病とソックリな症状が出る低血糖症って何?
掲載日時:2012.01.23 12:00
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掲載日時:2012.01.23 12:00
低血糖症とは、血糖値が高血糖と低血糖の間を乱高下したり、血糖値が低い値で推移していったり、血糖値を下げるインスリンの分泌が正常に行われないなど、人によってあらわれ方は違いますが、1日を通して安定した血糖値を維持することが難しく、それが原因で身体や心に様々なトラブルが起こってくる病気です。
甘いものを食べ過ぎで糖尿病が気になる......と、高血糖が気になることはあっても、その逆の低血糖ならそんなに問題はないのでは? と安易に捉えてしまいやすいですよね。
ですが、低血糖症の症状はうつ病などの精神疾患と似ているので、低血糖症だと気付かないままでいると、症状だけでうつ病だと診断され、抗うつ剤などを服薬しても一向に症状が改善されることがないまま長期に渡り薬を飲用することになったり、原因が分からないまま不定愁訴で無気力で憂鬱な時間を過ごすことにもなりかねないのです。
まず、血糖値とは何かというと、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。ブドウ糖は食べ物に含まれる炭水化物や砂糖が消化酵素によって分解されて作られて、身体を動かす燃料になってくれます。
脳はブドウ糖以外のエネルギーは使わないので「脳のエネルギー不足=ブドウ糖不足」ということになり、ブドウ糖が減ると脳から「お腹が空いたよ~」っと指令が入るわけです。
そして私たちが食物や飲物から糖質を体に入れると血糖値は上がります。すると体は血糖値を下げようとすい臓から血糖値抑制物質であるインスリンを分泌します。インスリンは血糖値を下げる唯一のもので代用がありません。
血糖値の乱高下とは、急激に血中のブドウ糖が上がったのを下げるために、すい臓が早急に大量のインスリン分泌しなければならなくなり、今度は血糖値が急激に下がり過ぎてしまうことです。そうなった場合、次は下がり過ぎた血糖値を正常値に戻すために副腎髄質というところから、いくつかのホルモンや自律神経が働かせて血糖値を上げようとするんです。
その時に分泌されるホルモン達の中に「アドレナリン」と「ノルアドレナリン」というのがあります。
「アドレナリン」は、大脳を刺激して、怒りや不安などの情動も引き起こしてしまうんです。別名「攻撃ホルモン」とも呼ばれており、敵意・暴力・怒りなどの感情を刺激してしまいます。他にも自律神経を刺激して血管を収縮させてしまうので、頭がしめつけられる、手足が冷たい、目の奥が痛いなどの症状、または狭心症のような発作を起こしたりもします。
「ノルアドレナリン」は、恐怖感、自殺観念、強迫観念、不安感を引き起こします。ノルアドレナリンは大脳の神経伝達物質で、脳の神経から神経へ情報を伝える役目をしているのですが、この濃度が急上昇することで、脳の情報処理機能に問題が生じ、理性的な判断が出来なく衝動的、発作的な感情に支配されることになり、今問題になっている突発的な「キレる」という症状が起こるのです。
糖質を取り過ぎることで体のバランスが崩れ、低血糖症を助ける為に分泌されるホルモンが脳をも刺激し、精神のバランスをも崩してしまうのです。
低血糖症からくる体と心の不調には以下のような症状があります。
【低血糖症のおもな体の症状】
「アレルギー症状(喘息、アトピー、鼻炎など)がある」 「ため息や生あくびが多い」 「起床時に疲労感がある」 「日光がまぶしく感じる」 「動悸がする」 「甘いものが無性に食べたい」 「物忘れが多い」 「胃腸が弱い」 「目の奥が痛い」 「いつも疲労感を感じる」 「口臭がひどい」 「日中、特に昼食後眠気が襲う」 「めまいやふらつきがある」 「集中力がなくなる」 「手指のふるえ」 「偏頭痛がある」 「目のかすみ」 「むくみが消えない」 「筋肉痛が何日も続く」 「呼吸が浅く早い」 「左上腹部(すい臓の辺り)に痛みがある」
【低血糖症のおもな心の症状】
「『うつ病・神経症・自律神経失調症』などの兆候があると診断された」 「わけもない不安感が襲ってくる」 「感情のコントロールがきかない(キレる)」 「怒りっぽくなったり感情が不安定」 「焦燥感(焦り、イライラなど)がある」 「落ち込み状態から抜けきれない」 「悪い夢を見て起きてしまう」 「不眠状態が続く」 「わけもなく失神しそうになる」 「月経前に異常に緊張する」 「目の前が真っ暗になる不安を感じる」
では、なぜ血糖値の乱高下が起こるのでしょうか。
糖質というのは分子の大きさによって4種類あり、分子が数万個で構成されてる「多糖類」、3~6個で構成されてる「オリゴ糖」、2個で構成されてる「二糖類」、そして1個しかない「単糖類」があります。ブドウ糖は単糖類です。
分子が多ければ多いほど、分解されてブドウ糖になるまでの行程が長く、ゆる~やかに血糖値が上がってくれるため、すい臓もインスリンをせかせかと分泌しなくてよいので、下がるときも穏やかに降りていくのです。
しかし二糖類である白砂糖を食べた場合、ほとんど分解される必要がないため、体に入った途端に吸収されるので血糖値が急上昇してしまい、それに伴いインスリンも大量分泌で血糖値が急低下することになるのです。そしてこのような状態が長期間続いてしまうと、すい臓は疲れ果て、インスリンを正常に分泌できなくなってしまう危険もあります。
そのインスリンを大分泌させるお菓子や清涼飲料水に含まれる白砂糖。この空前のスイーツブームで、たくさんの美味しいお菓子が簡単に手に入る時代。街を歩けばあちらこちらに誘惑も多いですよね。習慣的に職場のおやつタイムにはチョコやクッキーをつまんでいる人も多いのでは?
最近、白砂糖の害が取りざたされたり、キレやすい人が多くなったのも、白砂糖の摂り過ぎだと懸念される声を聞くこともありますが、実際に自分の体調不良と白砂糖の害が繋がっているとは気付きにくいものかもしれません。
うつ病と同じような症状までいかなくとも、「朝起きられない」「便秘」「疲れやすくなった」「会話中に言葉が出てこないで頭の中が真っ白になる」「肌あれ」など日々の生活の中で感じたら、年齢のせいではなく、白砂糖の摂り過ぎということもありえます。
白砂糖断ちした直後は、頭痛や睡魔、異常に甘いものが食べたくなるなど禁断症状が起きやすいですが、体が砂糖の中毒が抜けていけば、どんどん正常な感覚に戻り、1週間くらいすると頭がすっきりクリアになってくるのを感じたり、感情の起伏が激しかったのが穏やかになったり、ネガティブな考えに持ってかれなくなるなどの嬉しい効果が多いようですよ。
(西村亜希子)
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