6 助動詞:may と might、will と be going to など
 6.1 had better と should
Q  had better と should の意味の違いを教えてください。
A

 had better は「〜するほうがよい、〜しなさい」という〈勧告・忠告〉を表します。

 I'd better try again.
 (もう一度やってみよう)
 *I'd better 〜 は話し手が自分自身を戒め諭すのに用いられる

 We'd better get up early tomorrow morning.
 (明日の朝は早起きしよう)
 *We'd better 〜 は let's 〜 とほぼ同じ意味

 You'd better watch what you say.
 (言うことに気をつけなさい)
 *You'd better 〜 は軽い命令を表し、時に脅迫的

 You'd better 〜 は命令的なので、You should 〜 を用いるほうがいいでしょう。should には「(道徳的あるいは情勢的な判断に基づいて考えると)〜であるのが正しい、〜であって当然だ」というニュアンスがあります。「〜すべきだ」と訳されることが多いのですが、強制力や命令的な感じは had better ほどありません。

 You should save energy.
 (エネルギーを節約すべきだ)

6.2 命令文と You must 〜
Q  You must not play in the snow.(雪の中で遊んじゃだめよ)は Don't play in the snow. と同じ意味ですか。
A

 ニュアンスが違います。

(1) You must not play in the snow.
(2) Don't play in the snow.

 You must not 〜 は「あなたは〜すべきではないと私が感じている(判断している)」ことを言いたいときに使います。(1) のように言う場合、たとえば話し手には「(風邪をひくから)雪の中で遊んではいけません」のように理由や判断の根拠があるのです。一方、(2) は「とにかくだめ、だめったらだめ」という感じです。

発展解説
なお、must と have to にも、次のようなニュアンスの違いがあります。

  • must
    話し手が当然しなくてはならないと思っていることを述べるのに使います。

  • have to
     規則やほかの人の命令など、外部から課せられた義務について述べるのに使います。よって「法律・規則などでそうなっている」と言う場合には普通、have to を使います。

     I have to work from 10:00 a.m. to 7:00 p.m.
     (私は午前10時から午後7時までは働かなくてはならない)
     ただし、アメリカでは特に、must と have to の使い分けはあいまいです。

6.3 may と might
Q  「ピーターが電話してくるかもしれない」と言う場合、Peter may phone. でも Peter might phone. でも意味は変わりませんか。
A

 意味はたいして変わりませんが、ニュアンスが違います。may も might も「何かが起こる、あるいは起こりつつある可能性」を表すのに使いますが、may に比べると might のほうが可能性が少なく不確実な感じを与えます。

発展解説
なお「〜してもよろしいですか」と相手の許可を求めるときにも may、might は使われますが、これは堅苦しい言い方です。特に might は、許可を求めるときには、あまり用いられません。普通は Can [Could] I 〜? が使われます。

 Can I use your bathroom?
 (トイレをお借りしてもよろしいですか)

 また、「〜してもよい」を意味する You may 〜(この場合 might は使えません)は、目上の人が目下の人に言う場合に使います。使用には注意しましょう。

 You may leave.
 (帰ってもよろしい)

6.4 拒否を表す won't
Q  「この機械はちゃんと動かないんだ」と言うときに、This machine won't work right. と This machine doesn't work right. では意味がどのように違うのですか。
A

 This machine doesn't work right. は「この機械はちゃんと動かない」という事実を伝えるだけです。一方、This machine won't work right. のように〈拒否〉を表す won't を使うと「どうしても思いどおりにならない」という感じとともに、あたかも機械が意志をもって動くことを拒絶しているかのような印象を与えます。
 なお、〈拒否〉を表す won't は人を主語にとる場合もあります。

 Mary won't meet Andy.
 (メアリーはどうしてもアンディに会おうとしない)

6.5 遠慮がちな提案を表す could
Q  昼食の相談をしているふたりの会話です。"How about Gino's Pizza across the street?" "What a great idea! We could order takeout and eat in the park."(通りの向こうにある「ジノズ・ピザ」はどう?――すてき! テイクアウトして公園で食べましょうよ)で、なぜ We could 〜 と過去形の助動詞を使っているのですか。
A

 この could は形は過去形ですが、過去のことを表しているわけではありません。can や could は、問題を解決するための方法や、これからとる行動を提案するときによく使われます。

 I can help you with the cooking.
 (料理を手伝いますよ)

 I could help you with the cooking. にすると、より遠慮がちで弱い提案になります。過去形を使うことで、話し手の控えめな気持ちが表せるのです。

6.6 will と be going to
Q  借金を催促されたとき、I'll pay you back. と言うのと I'm going to pay you back. と言うのとでは、意味がどう違うのでしょうか。

A

 will を使うと、それまで返済することは考えていなくても「とにかく返しますよ」という〈意志〉を示したことになります。一方、be going to には「『すでに決定している、確実である』ことが今の時点でわかっている、かねがねそのつもりである」というニュアンスがあります。つまり I'm going to pay you back. と言えば「(催促される前から)返そうと思っていたんだよ」という気持ちが伝わるわけです。

発展解説
be going to が〈推量〉の意味を表すこともあります。この場合、何らかの徴候や状況によって、話し手が「そうなる」という確信を持っているのが普通です。次の例で will との意味の違いを確認しましょう。

(1) It is going to rain.
(2) It will rain tomorrow.

 (1) は、たとえば現在空が暗く、今にも雨が降りそうな徴候がある場合に用います。(2) は、そのような根拠がなく、単に「明日、雨が降るだろう」という予測を述べるときに使います。

6.7 強調の do
Q  "Why didn't you have breakfast?" "I did have breakfast."(なぜ朝ごはんを食べなかったの?――朝ごはんは食べたよ)の did はどのように訳せばよいのですか。
A

 この do [did] は「実際に〜する(した)」ということを強調する助動詞です。肯定文で強調のために用いられる do [did] には次の2パターンがあります。

  • 感情を強調する場合
     自分が言っていることを強調し、感情を込めるときに使います。
    例1 She does eat a lot, doesn't she?
      (彼女はほんとうによく食べるね?)
    例2 Do have another helping!
      (ぜひお代わりをしてちょうだいな!)
      *例2はフォーマルでやや古めかしい言い方

  • 対比を強調する場合
     否定と肯定、現在と過去などの対比を強調するときに使います。質問のやりとりは、これに当たります。

     I don't like junk food now, but I did like it when I was younger.
     (私は今ではジャンクフードが好きではありませんが、若いころは大好きでした)

6.8 Could you 〜? と Would you 〜?
Q  人に何かを頼むとき、Could you 〜? と Would you 〜? では、どちらが丁寧ですか。Can [Will] you 〜? とどのように違うのでしょうか。

A

 どちらかと言うと Would you 〜? よりは Could you 〜? のほうが丁寧ですが、ほとんど変わりなく使えます。Could [Would] と過去形にすることで「もしお願いできれば」という控えめな気持ちが含まれるので、より丁寧な言い方になります。

 なお、Can [Will] you 〜? も「〜してくれますか」という依頼の意味を表しますが、Will you 〜? を使うときには注意が必要です。Will you 〜? は基本的に相手の〈意志〉を問う表現なので、状況によっては失礼に聞こえかねないからです(「7.1 人の計画を丁寧に尋ねる未来進行形」参照)。

発展解説
I wonder [was wondering] if を付けると、いっそう丁寧な感じを与えます。

 I wonder if you could help me.
 (手を貸していただけませんか)

6.9 could と was [were] able to
Q  I could run 50 meters in six seconds. と I was able to run 50 meters in six seconds. は意味が違うのですか。

A

 質問の文は同じ意味です。could と was [were] able to はともに「いつでも、したいときに〜をすることができた」という一般的な能力を表すのに使います。よって質問の文はいずれも「僕は50メートルを6秒で走ることができた(走ろうと思えば、いつでも)」という意味を表します。could と was [were] able to が同じように使えないのは、過去において「何かを1回だけ、することができた能力」を表す場合です。この意味は could では表せません。たとえば「(ほかの時はともかく)1980年の陸上競技会では、僕は50メートルを6秒で走ることができた」に近いニュアンスを表す場合は、次のように was [were] able to などを使います。

 I was able to run 50 meters in six seconds at the athletic meet in 1980.
 (1980年の陸上競技会では、僕は50メートルを6秒で走ることができた)
 I ran 50 meters in six seconds at the athletic meet in 1980.
 (1980年の陸上競技会では、僕は50メートルを6秒で走った)
 I managed to run 50 meters in six seconds at the athletic meet in 1980.
 (1980年の陸上競技会では、僕は50メートルを6秒でどうにかして走った)
 I succeeded in running 50 meters in six seconds at the athletic meet in 1980.
 (1980年の陸上競技会では、僕は50メートルを6秒で走ることに成功した)

6.10 could have+過去分詞
Q  You could have helped her. と You could help her. は意味がどのように違うのですか。

A

 〈could have+過去分詞〉は次のふたつを意味します。

  • 起こる可能性はあったが、実際には起こらなかったこと
     You were stupid to start a fight with him. You could have been badly injured.
     (彼にけんかを仕掛けるなんてばかなことをしたな。大けがをしたかもしれないよ)

  • 何かをやらなかったことについて人を非難する気持ち
     質問の文、You could have helped her. がこれに当たります。「きみは彼女を助けることができたのに(なぜ助けなかったのか)」ということを表します。

 一方、You could help her. は文脈によって次の3つの解釈が可能です。

(1) 過去の可能性を表す
→「きみは彼女を助けることができた」

(2) 現在または未来の可能性を表す
→「(ひょっとしたら)きみは彼女を助けられるかもしれない」
 この意味の could は、may や might の〈推量〉「〜かもしれない」に近いニュアンスを表します。ただし、may や might より確信度は低くなります。

(3) 丁寧な依頼を表す
→「彼女を助けてあげてくれませんか」
 (2) の「助けられるかもしれない」から発展して「(それなら)助けてあげてくれませんか」という〈依頼〉を示唆することもあります。

6.11 あってもなくてもいい can
Q  Can you play the guitar? と Do you play the guitar? の意味の違いを教えてください。

A

(1) Can you play the guitar?
(2) Do you play the guitar?

 (1) は〈能力〉(弾けるかどうか)、あるいは〈見込み〉(弾くことがあるか)を尋ねていて、(2) は単に弾くかどうかを尋ねています。ただし「単に弾く」ということは「弾く能力がある、弾くことがある」を意味するとも考えられるので、(1) と(2) に大きな意味の差はないということになります。このように can を伴っても伴わなくても意味にあまり変わりがない動詞には、remember(覚えている)、speak(話す)、understand(理解する)、sing(歌う)などがあります。

 He can speak German. / He speaks German.
 (彼はドイツ語を話せる)

発展解説
なお、see(見える)、hear(聞こえる)、smell(においがする)などの知覚動詞も、can がある場合とない場合で意味の差はほとんどありません。ただし、今現在、経験している感覚について言うときには can see [hear / smell] のように can を用いることが多いようです。

 I can see a rainbow!
 (虹が見えるわ!)


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