2011年4月29日11時26分
ロシアの世界的なウイルス対策ソフト会社カスペルスキーのエブゲニー・カスペルスキー最高経営責任者者(45)がこのほど来日して朝日新聞と会見、「福島第一原発の事故が起きても日本の科学技術への信頼は揺るがない」と述べ、IT産業を中心に日本との協力に意欲を示した。
カスペルスキー社は一般ユーザー向けのシェアが世界第3位で、日本にも事業所を置く。同氏はコンピューターの安全を効果的に確保する技術を次々に開発してきた。福島の原発事故については「地震と津波が同時に起きた例外的なケース」と指摘する一方、イランの原子力関連施設がサイバー攻撃を受けた問題を例に「原発などの重要施設の制御システムを狙ったウイルス攻撃が危険性を増している」と警告した。
同氏は「旅館に泊まって納豆も食べる」親日家。東日本大震災後、日本赤十字社に約2千万円を寄付したほか、放射線測定器5千台の寄贈なども予定している。(編集委員・大野正美)
東日本大震災の被災地を訪問した際、地元知事らに「知恵を出さないやつは助けない」などと放言した松本龍復興担当相が辞任した。「上から目線」の発言を全文収録した。