アプリ、知らぬ間の通信 スマホ急増でデータ増加読めず

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 携帯電話からメールやネットが接続できない。通話もできない――昨年から続いたNTTドコモの大規模な通信障害。その背景には、スマートフォン(多機能携帯電話)の大容量通信が制御しにくいという問題があった。従来の携帯に比べてスマホ対策は格段に難しく、各社は苦心している。

 ドコモが一連の通信障害の「犯人」として挙げたのは、意外にもスマホが通信設備とやりとりする制御信号だった。

 スマホは、端末がネットに接続したり、切断したりする際に制御信号を送受信する。ドコモによると、同社で主流のスマホのOS(制御システム)「アンドロイド」を搭載した端末の場合、通常の状態では28分に1度、やりとりする。

 落とし穴は、人とのコミュニケーションをとるためなどに使う「アプリ」(応用ソフト)にあった。アプリは、スマホとは別に、3〜5分おきに頻繁な制御信号をやりとりする。これが想定以上にデータを増やし、データを処理する「パケット交換機」の処理能力を超えそうになって、ネットワークに自動規制がかかったというのだ。

 利用者が画像や音楽を楽しむ通信量が大容量の場合は、通信速度が遅くなるなどのゆるやかな規制がかかるが、制御信号の場合は、信号の自動送信をコントロールできず、一気に通信が集中するためだ。

 「申し訳なかったが、(データ量を)つかめなかったというのはある」

 ドコモの山田隆持社長は27日午後に開いた記者会見で、スマホのデータ通信の中身を十分把握できていなかったと釈明した。

 ドコモの従来の携帯電話のネット接続システム「iモード」では、ネットに接続するときだけに「制御信号」を送受信するが、スマホは常時接続のため自動的にデータのやりとりが発生する。ドコモが、データの増加を見込んだのはそこまでだった。

 ドコモは今回のトラブルへの対策として、1600億円をかけた通信設備の増強のほか、新たなシステムの導入で、この隠れた制御信号のデータ量を把握できるようにする。また「信号を不用意にたくさん流すアプリは控えてほしい」(辻村清行副社長)とし、アプリ側にも協力を求める。

 今までのところ、米アップル製のスマホ「iPhone」(アイフォーン)で同種の通信障害は起きていない理由に、アップルがアプリの審査が厳格で、データのやりとりが多いアプリの数がアンドロイドよりも少ない点をあげる業界関係者もいる。

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